この惑星ウッドストック ファンキーホラーバンド(FHB)はBeep!メガドライブ誌(現在はドリームキャストマガジンかな)において、クソゲー四天王に位置づけられている程のある方向では非常に有名なゲームソフトで、まぁこんなページをご覧になっている方には今更説明など無粋とも言えるんですが(笑)、某デスクリムゾンとネットの普及で巻き起こった空前絶後のクソゲーブームも一段落した所で、細々とこのゲームの思い入れでも語ってみようかと思います。 というか、結論から言うと、筆者は確かにこのゲームを客観的にクソゲーである事に対しての反論は無いんですが(つーか出来ない^^;)、実際はかなり思い入れがあったりしたりもします。........というか殆ど発売と同時に定価で買ったんだから何が何でも遊び倒してやろうという貧乏根性がそれを支えているのもまた事実なんですが、何せこのゲームは元ゲームソフト実売価格最安値を更新し続けたゲームな訳で、発売から間もなく新品980円、480円、280円と来て、終いにはご自由にお持ち帰り下さいとまでなってしまった悲しい過去もあったりもして(笑)。 *まぁ元々クソゲーってのはワゴンセールで叩き売られているのが相場ではあるんですが。クソゲーで一時期プレミアまで付いたデスクリムゾンは例外中の例外と言えましょう。 という訳なので、はっきり言って定価の6800円(+消費税3%)出した奴なんて日本にそうそういるもんじゃなかった事は想像に頑くない訳デス。昔は洒落になってませんでしたけど、今だとある意味元セガマニアとしての勲章とも言えるものなのかもしれないと勝手に妄想したりして。 *ちなみにメガCDの場合は発売日にハードだけ買ってソフトは待ちってユーザーがかなりの数だったのは割と有名な話。 さて、もう少しこのゲームについて解説しておくと、このゲームは1991年の暮れに鳴り物入りで登場したセガ・メガドライブのCD−ROMユニット「メガCD」の第一段ソフトとして本体と同時に発売したRPGです。一年前にPCエンジンのCD−ROMROMシステムを購入してCD−ROMゲームの可能性に魅入られてしまった筆者はメガCDには非常に期待していた訳で、足下見られた小売店に定価に他のメガドラソフトの在庫の余りを抱き合わせされてまでして購入しました(ソフト2本付きで合計金額65000円だった気も)。ええ。だから今回ドリームキャストが9800円になって「ラッキー」と購入を決めたりしても許されるはずです(爆)。勿論サターンだって44000円(初期ロット)で買いましたし、今までのセガ系の累計のハード代だけでも15万近くは放り込んでますので。 *ちなみにアーネスト・エバンスにもクソゲー説はあるんですが、これは真っ向から否定します。少なくともメガCDならではの機能を見せてくれたゲームという意味でもきちんと役割誌果たしてるんです。 ゲーム内容は、2D見下ろし型の所謂「ドラクエ型」(マニアはUltima型とも言う^^)のRPGで、ゲームの舞台のとある惑星(名前無し)のファンキー村に住む主人公の少年が、不時着してきたFHBのメンバーと出会い、この星に墜落した時に失った彼らの楽器を集めるのに協力して世界を旅するという話です。 実は、このFHB、ファンキーホラーバンドはVictor Musical industries, Inc.からタイアップされていた仮想のバンドグループで、このゲームの他にも、PCエンジンでビクターが出していたディスクマガジンのウルトラボックス等で度々登場していました。実はこのFHBって元々セガのオリジナル企画でなくてビクターの立ち上げていた音楽関連の企画だったんです。類似なもので言えばSNKがやってたBOF(バンド・オブ・ファイターズ)やコナミの藤崎詩織みたいなもんです。(多分) 名前の通りメンバーが基本的に化け物の集まりなのでバーチャルアイドルには成り得ずにイマイチ売れてはなかったようですが(笑)。CDもメガCD版のサントラ以外で見たこと無いですし。 ちなみにこのゲームの世界の独特な点として、世界の全てが音楽によって運営されているという事。社会や生活はもとより、戦闘方法も楽器の旋律で攻撃したりするというもので、つまり名器@最強の武器という事になってます。という事でこのゲームには様々な楽器のさまざまな旋律がメガCDの大容量とADPCM音源を利用して交錯する........と誰もが期待するんですが、実際はFM音源のショボイ音がボソボソと鳴るだけです(-","- ) 。しかも主人公が使える旋律なんてほんの数種類だけですし。 というか、ストーリーや世界観などはそんなに悪い物でも無いんですが、肝心のゲーム内容がかなりアレな出来なんデスね(汗)。ファミコン並のグラフィックに、下手したら一日で終わってしまう短さ、移動速度の煩わしさに相まってエンカウント率の高さなどもあり、RPGとしては完全に落第点でした。そしてキャラの成長は経験値によるレベルアップではなくて、敵を倒して入手できるステータスアップのアイテムを入手して強くなるシステムですが、これ下手したら第1章でHPとNR(MPみたいなもの)以外はパラメーターMAXに出来てしまう為、簡単にゲームは崩れます(汗)。普通にやっても第3章で大抵MAXになるのでどのみち崩れるんですが(笑)。ちなみにパラメーターMAX状態だと戦闘でダメージを食らうのはラストダンジョンの中ボスとラスボスだけでス(; ̄∇ ̄)。 つー訳で、RPGゲームというよりどっちかというとアドベンチャーゲームというのが正解なのかもしんないデスね。ストーリーのフラグ立てとかが意外とめんどくさいし。プレイ時間もさっき述べたように短いです。のんびりやっても10時間かかんないと思うので。.......というか、実はこのゲームって5章構成なんですけど、うち2章と4章はビジュアルシーン(古い表現だ^^;)だけで終わりますしね。実質は3章分だけで、実はこの2章と4章の展開のさせ方がこのゲームの悪評の温床になってます。 しかし、個人的には寧ろこの展開は正解だと思うし、これがこのゲームの好きな部分の一つだったりもするんですが。そもそも忘れちゃダメです。これはFHBのタイアップの為の企画という事を。もちろんそんなものはユーザーに押しつけられる筋合いも無いんですが、このミュージッククリップ風の2章と4章はそう言う意味でのプロモーション的な演出方法としては間違いだったとは思いません。ストーリーが分かりにくかったりアニメが貧弱というクオリティ的な問題点ははらんでいても、方法論だけは正解だったと思うんですけどね。それに、むしろ1、3、5章の出来を見たら、同じ様な出来損ないのRPGパートが2章分加わったところで更に救いが無くなるだけです。流れている挿入歌のクオリティの高さと、CGと歌がきちんとリンクしてまったく見られない出来でもない事を考えたら尚更。CD−ROMというメディアを使った意義がこれで何とか首の皮一枚繋がっているって感じで(笑)。 そして、このゲームで一番肝心なのは音楽の出来なんですね。元々音楽ネタのゲームなんですからこれさえきちんと出来ていれば救いはあると思ってます。 んで、実際BGMは画面に相応しく(?)、内蔵のFM音源でかなり貧弱なんですけど、このゲームに挿入されている4曲の歌のクオリティはかなりの高レベルな物です(ちと少ないですけど)。未確認情報ではこのFHBのバックについてたミュージシャンは実は結構大物だったって噂もありますが割と納得出来ます。 *身も蓋もないこと言えばこのエンディング曲の所為で、ゲームのクオリティの低さやそれを定価で買ってしまった事をすべて許してしまおうと思わされたんですけどね(笑)。 あ、ちなみにFHBのボーカルのアビビ役の声はかないみかさんでしたけど、歌を歌っていたのは別の人でした。尤もでは誰だったかは不明ですけど(情報求む)。
そこで、今更ですが.......未だに.続編激希望中です。別にRPGでなくてアドベンチャーゲームで構いませんし、敢えてゲームで無い形でもいいと思いますが、絶対このままでは終わって欲しくないゲームの一つなんですね。今回のメガCD版は明らかにメガCD本体同時発売に間に合わせるためにあんな出来になっただけで、企画そのものは面白かったと思ってるので。
あ、最後にお勧めするかどうかですが、あまりお勧めしません(笑)。けど音楽CDのつもりで入手してみようというならお勧めしたいデスね。サントラCDも出てますけどこっちはかなり入手困難っぽいですし。まぁそもそも今時メガCDのゲームで遊べる環境の人自体希少でしょうから。 |