不遇なる親の七光り?(沙羅曼陀2&究極タイガー2)
とりあえず......
親の七光りということわざがあります。地位や名誉、そてし富のある親に恵まれるとその威光の恩恵を受けてその子供も色々特権を受ける事が出来るわけですが、場合によったらこれが逆に作用する事もあるんですね。特にスポーツ選手とかは一流選手だった親を持つと色々親と比較されて必要以上なプレッシャーの中で潰れていく人も多いみたいですけど、ゲームの場合も似たような傾向があるみたいですね。
まぁそれはおいておいて、今回挙げる沙羅曼陀2と究極タイガー2はいずれも前作はゲーム史上に残る名作シューティングとしてその金字塔を築いた作品というのは今更説明するまでも無いんですが、その続編はいずれも不評、または出たことさえ知られていないというありさまです(汗)。沙羅曼陀2では最早ネットのゲームレビューなどではク○ゲー扱いされている所もたびたび見ますし、究極タイガー2なんて友人に話すと「そんなん出てたの?」と口々に言われる始末(^^;)。そう言えばR・Type2も確かかなり出回り悪かったみたいですけど、あれはスーファミの発売とほぼ同時期にスーファミ用ソフトとして移植されたのでまだマシかもしれません。(笑) .......ゆーかR・Type2ムズ過ぎ。前作をクリアしたユーザーをそっくりそのままターゲットにした所為なのか一面から凶悪だし。あーくそ俺は3面クリアするのにも2000円以上は使わされたぞコンチクショー!!!(おのれが下手なだけじゃ)
閑話休題
で、今回はこの二つのゲームをレビューしたいと思います。ホントにこの2つは○ソゲーだったのか?
.......とりあえず結論から言うとクソ○ーにはなりません。思い入れから少し評価が甘いとしても、シューティングゲームとしてはとりあえず水準のあたりをどちらもいったり来たりというあたりでしょうか。まあ要するに飛び抜けて出来が良かった訳ではないんですが(^^;)
ただどちらも前作の名声を受けて普通のオリジナルシューティングとして以上に厳しい目で見られていたのはまぁ仕方がないですね。
ちなみに今回浮かんだキーワードは”時代錯誤”でした。どちらも何か企画の時点で勘違いがあった様な.......
沙羅曼陀2
沙羅曼陀2は1996年の初頭に登場しました。前作が1987年だったので約9年ぶりの新作。確か初登場は1995年のAMショーだった気がします。その時未だ格闘系ゲームが全盛を誇っているときに人気投票第3位に入ってその期待の高さを示していました。
......が、結果的には言わずもがな、散々な評価を受けてしまってます(汗)。一体何が悪かったか?
グラフィックはXEXEX程じゃないとしてもそんなに悪くは無かったですし、サウンドも沙羅曼陀の続編としてけっしてその名に恥じない出来だったと思います(というかサウンドが良いのが唯一の救いというのが定説っぽいデス^^;)、また、ゲームバランスも悪くなくて、初心者でも割と簡単に一周は出来る難易度も評価出来ると思います。ゲームを構成する一つ一つのパーツを検証すると殆どがきちんと水準はクリアしている筈です。
んじゃ一体何が悪いのか?
とりあえず最大の要因と思われるのはスコアアタック性が無さ過ぎたんですね。当時のアーケードのシューティングゲームは首領蜂やレイ・フォース等でスコアアタック要素の高い”稼ぎ”ゲームが盛り上がっていました。しかし、この沙羅曼陀2にはその要素がまったく無かったんですね。ただの2周クリアゲーム。これだと一度クリアしたらそこで終わりです。スコアアタックっていっても出来る限り画面の敵を壊したり、ボスが吐き出す雑魚とかをちまちま粘って壊しまくるって感じで今時のスタイルじゃないですしね。唯一らしかったのは一面のゴーレムを食われる前に破壊ボーナス位ですか。
そこら辺からあっという間に飽き(難易度も低めでしたし)@つまらんという事でダメゲーの烙印を押されたのではと思います。2週目で前作の音楽が流れるというのもありましたけどそれも一度見れば(聞けば)終わりですしね。ゆーかサントラが出れば無意味(爆)。
究極タイガー2
こっちは1995年らしいですね。沙羅曼陀2より早かったのはちと意外ですが、基板はタイトーのF3システムの様で作ったのはTAKUMIという会社。この当時既に東亜プランは倒産していましたし、その一部のスタッフは後に首領蜂シリーズやエスプレイド等を作ったCAVEを設立した訳で、このゲームの作成に当時の究極タイガーを作ったスタッフがいたかどうかは不明ですが(それを言うなら沙羅曼陀2も当時のスタッフがいたのかは怪しいですが^^;)、結果的に大々的な感じだった沙羅曼陀2と違い気づいたら不意にゲームセンターに並んでいました(笑)。何かタイトーのF3システムのシューティングって逆鱗弾といいあっかんべいだー(今からでも良いから移植希望!!!)といい妙に影の薄いゲームが多い気もしますが(汗)、これもマジで影が薄かった気がします。(そう言えばレイフォースも結局それ程出回らなかったんでしたっけ?)
んでゲーム内容ですが、一言で言えばこちらも何の変哲もないというか究極タイガーから確立して今も縦スクロールシューティングの標準となっているショット+ボンバーシステムのごく普通の縦スクロールシューティングです(笑)。ただ自機の速度が遅くて敵弾をぐるりと交わすよりむしろ敵弾の合間をくぐっていく様に作られているあたりは前作の究極タイガーの名残を残していると言えるのかも(^^;)。とりあえずグラフィックやサウンド、またゲームのスタイル等は今時の物になっていますが、確かにこれだといくら究極タイガーの名前があっても影が薄すぎですってば(^^;)。
当時(というか今も)縦スクロールシューティングでヒットさせようと思ったら、怒首領蜂みたいに独特のスコアアタックシステムを作ってバリバリの稼ぎゲーとして売り込むか、もしくは萌えキャラ達を主人公にして中間デモやエンディングを多数挿入して何回も遊ばさせる様にするか(ソニックウイングスあたりが元祖かな?)って感じでしたけど、このゲームはどっちにもイマイチ当てはまりません。一応星(ライジングゲーにおける勲章みたいなもん)を連続して取りまくるボーナスやクリア時の残ボンバーボーナス等シューター御用達のスコアアタックボーナス要素はありましたけど、既にこれは他のゲームでも当たり前の様にされていた事ですし最早ウリにはなり得ません。まぁ元々この種のボーナスも最初に作ったのが前作の究極タイガーや他の東亜プランの縦シューティングゲームだというのも事実なんですが。
そして、両者に共通して言えるのは「どちらも前作を正常進化させたもの」という事です。要するに非常に保守的に作られているんですよね。綺麗にまとめすぎているというか斬新なフィーチャーを犠牲にして前作の面影を残そうとしすぎているというか。そしてこれがどちらにとっても失敗の元だったって事ですね。まぁ究極タイガー2の方は最早タイトーもそれ程騒ぎにはならないと初めから分かっていて作った形跡もありますが(^^;)。
どちらの前作も確かに当時は名作でしたが、今ではゲームシステムとしては最早時代遅れの代物です。究極タイガーが築き上げたショット+ボンバーシステムも今では無個性に等しいです。沙羅曼陀の時はシューターの人たちは何周もしてカウンターストップを狙ったりしていましたけど、今は最早時代(というかゲームセンター事情に)そぐわないですしね。グラフィックやサウンドは確かに今風の物になってはいますが、肝心のゲームシステムの部分で進化が見られないのであっさり飽きられたり全然ゲーマー達の目に留まらなかったりする訳で。
はっきり言えば当時のこのゲームを企画した人達って何故ヒットしたのかを理解していたのかどうかちと疑わしいです。知っていたのは「この作品が名作と呼ばれ大ヒットした」という事だけで、そのまま「それをもう一度今風に作り直せばもう一度稼げるんじゃねーか?」と短絡的な思考に帰結してしまったのではないかと。当時この二つのゲームが大ヒットしたのはこの二つのゲームが当時の他のゲームを寄せ付けない魅力があったからで、そしてそれは他のゲームには見られない”個性”によるものです。しかしゲームが大ヒットすると、それ以後は一斉に真似されるのは最早仕方のないことで、その後に起こる似たような同系列ゲームの乱発でその個性は次第に色褪せて行ってしまいます。”不朽の名作”という言葉は定冠詞として使われても最早意味は持たない言葉だと言えると思います。
要するに寧ろ求められていたのは保守的な正常進化より、まったく別物になったとしてももう一度業界に新しいセンセーションを起こす斬新さだっと思う訳ですね。まぁそうなったらそれこそ前作の名前を持ってくる必要があるのかどうかも疑問ですが(^^;)。具体的に言えばせめて首領蜂やレイフォースクラスの独特のスコアアタックシステムを確立してほしかった所ですね。
どのみちゲームシステムに代わり映えのない正常進化はあっという間にマンネリを起こしてしまいますし。最初に書いたR・Type2や雷電2、ソニックウィングス2等、初代が名作と呼ばれながらも続編で盛り下がっていった作品も多いですがそういう事だと思いますね。
ただ一つ疑問なのは両者とも前作の発売からもう8〜9年ほど経っているわけで、今更その続編出してどうするつもりだったんだろう?当時の現役のコアゲーマーさん達と今のゲームセンターの客層って明らかに一時代分以上のギャップがある様に思えるんですが.......(^^;) もしくはツインビーヤッホーみたいに10周年記念で出すとか.......