憐霧
******町はずれのある屋敷にて******
「.....え?....今、なんて言った?」
俺は思わず手に持っていた履歴書を床に落とした。今回雇った全員分のメイドの分を束にして持っていた為に、ばさばさっという音と共に地面に散乱する。
「......だから、私、男の子....なんですけど」
いかにも当たり前の様に俺に告げる彼女....じゃなくて彼。
「....嘘、だろ?」
独り言のように呟きながらメイド服を着て自分の目の前に立っている少年を見据える。
『この子が....男の子だって?』
自分の目には、目の前に立っているのは端正な顔立ちの美しい少女.....としか見えない。華奢で小柄な体つきにブラウンがかった黒色のストレートで美しいロングヘア、神秘的な雰囲気すら漂わせている円らな瞳、そして小雪の様に透き通るような白い肌.....これで男だなんていきなり信じろっていう方が無理だ。出来るものならいきなり抱きしめてみたくなる衝動すら感じる。
「あの...お渡しした履歴書の方にもちゃんと書いてあるはずですけど.....」
呆気にとられている所で彼女(彼か?)の言葉を聞き、無言で床に落ちた彼の履歴書を拾い上げる。彼女(彼)の履歴書の最初の蘭に写真が貼ってあり、その横には『雫姫 憐霧』という名前と年齢、そして男性を表す性別の文字記号が記されていた。
「....成る程。確かに書いてあるな」
別にこの子の履歴書を読んだのは今回が初めてじゃない。....むしろ今回のメイド募集時に送られてきた応募者の履歴書の中から憐霧の履歴書を見つけたとき、彼女(のつもりだった)の写真を見て殆ど外見だけで採用を決めた覚えもある。当然面接も実施したが殆ど雑談に近いもので性別に関しての質問などした覚えはない。
....要するに目の前にいる今回採用したメイド、憐霧が女の子かどうかなんて一片の疑いも持ち合わせてはいなかった訳だ。
「.....しかし...だったら何故メイド用の服を着ている?今回の募集は女性限定じゃ無かったし、男の使用人用の服も用意していたはずだが?」
まぁ結局採用したのは全員女性だったりするのだが.....この憐霧を除いて。
「こちらの方が好きなんです」
軽い会釈と共にあっさりと答える憐霧。一瞬女装癖....か?とも思ったが直ぐにむしろ自分の質問の方が愚問だったと思い直した。憐霧が着ているメイド服はこちらが一方的に用意した物にも関わらず、まるで憐霧の為だけに誂えたかの様にその容姿にとけ込んでいる。ここまで似合っていればさすがに例え着ているのが男だろうが文句の言う筋合いなど無い。憐霧が当たり前の様にあっさり答えたのも自分でその事を自覚しているからだろう。
.....いや実際はとんでもない理論なのだろうが、少なくともそう思わせるだけの説得力はあった。
「成る程......」
俺はぼんやり開け放たれた窓の外を眺めながら呟く。窓の外からは心地よい程度の秋風が吹いて来ていた。
.....さてどうしたものか.....?いや、まぁ別にどうする理由もないのだが。別に男女の関係を求めてメイドを雇った訳じゃない...はずだから。
「あの....やっぱりまずいですか.....?」
控えめに答える憐霧。その口調とは裏腹に表情には先ほどとあまり変化は無い。どうやらあまり表情豊かな方では無い様だ。まぁこの端正な顔立ちがコロコロ変わってもかえって不自然ではあるが。
「いや....別に。業務に支障がなければそれでいい」
窓の外をぼんやりと眺めたままで俺は答える。憐霧をあっさりと雇った理由のもう一つに、メイドとしての職務経験が思いの外豊かだったという事がある。特に今回の様に突然館を買い付けて使用人を急募している状態では経験者優遇にならざるを得ない。
....しかし、実業家だった両親が突如事故死して転がり込んできた莫大な財産で広い館を買い付けてメイドを囲っているのも罰当たりではあるかもな。俺自身は何にも親孝行な行いはしていなかったというのに。
「.....業務....ですか」
思わせぶりでこちらを見る憐霧。
「ん?何か変な事言ったか?」
「.....いいえ」
特に意味は無いだろうと思われる笑みを浮かべてそう答えると、憐霧はそのまま表情を変えずにこちらに接近してくる。
「へ?おい.....」
程なく憐霧と俺は密着状態になり、憐霧の顔が自分の顔の目の前に来る。
『う.....』
憐霧の瞳に間近で見つめられて一瞬ドキっとしてしまう。っておい、相手はいくら可愛くても男の子....だぞ。
「ち、ちょっとまて....もしかしてそういう趣味の人.....なのか?」
俺は憐霧の目を避けるようにしながら尋ねる。
「.....お嫌....ですか?」
腕を絡めながら答える憐霧。ふわっと憐霧の香りが鼻孔をくすぐり、俺の心臓の鼓動が高鳴ってくる。
「い、いや、俺はちょっとそっちの気は......んっ」
何とか振り絞って答えるが、言い終わらないうちに憐霧に唇を塞がれる。そしてそのまま憐霧は腕を俺の頭に絡ませ目を閉じた。
『ちょっと待て....俺は....』
内心では抵抗しながらも体はそのまま硬直して動けずに憐霧の唇と、絡めてきた舌を受け入れる。
『.....けど柔らかくて....気持ちいいかも.....』
俺はぴちゃぴちゃと淫猥な音を立てながら憐霧の唇と舌使いに意識が飲み込まれていく。そして段々憐霧が本当は男の子だっていう意識が何処かに飛んでいこうとしていき、....むしろ女性とした時と同等....もしくはそれ以上の何とも言えない感覚が自然と憐霧を求めるようになっていった。
「......はぁ...はぁ....」
そして程なくして重ね合わせていた唇を離す。離したときに唾液が糸を引いて、濃厚な口づけを交わしたことを物語る。憐霧は密着状態から少し離れてこちらを見つめ、
「.....満更でもなかったみたいですね。ご主人様?」
と微笑みかけるその表情は小悪魔的な魅力を秘めていた。.....御主人様.....か。
「........」
憐霧の問いに俺は何も答えなかった。.....確かに憐霧の言うとおり最初は抵抗感があったが、最後は没頭して自分から求めてすらいた。それに、この胸の昂りは.....
....もしかしたらまだ心の何処かで持っている憐霧が本当は女の子なんじゃないかっていう気持ちがそうさせたのかもしれない。....所詮ただの言い訳か。でも....出来るものなら...
『.....確かめてみたい.....』
暫しの沈黙の後、俺は口を開いた。
「.....憐霧」
「はい.....何なりと」
相変わらずの微笑と共に受け答える憐霧。....まるでこちらの心を見抜いているかの様にすら見える。
「.....やっぱり俺....お前が男の子だってまだ信じられないよ.....だから.....」
「.....分かりました」
そう言うと憐霧は開けはなっていた俺の部屋の窓を閉め、カーテンを張る。とたんに外部を完全に遮断した為に部屋全体が薄暗くなる。
そして、とりあえず憐霧の行動を静観していた俺の前に立ち、少し赤らめながらも妖艶な笑みと共にスカートをめくる。スカートの舌から覗く憐霧の白い下着に心臓の鼓動がさらに高まる。
「.....さあ、どうぞ。お確かめになって下さい。ご主人様.....」
その妖艶な言霊の調べに辛うじて保っていた俺の「理性」と「同性同士」というキーワードで束縛されたかりそめの道徳心が崩れていく。
俺はそのまま吸い寄せられるように憐霧の元に歩いて抱き寄せ、そして憐霧を抱き寄せた反対側の右手で憐霧の股間にそっと手を触れてみる。
「....あっ....」
「......成る程。確かにある....な」
手に広がる感触....間違いない。....これで、先ほどまで持っていた「もしかしたら....」という願望は完全に潰えた事になる。なるのだが...
「.....ふっ」
不思議とその事に失望も落胆も感じなかった。寧ろその事で今までどっち付かず気味だった自分の本心が確信出来た気がする。俺は自虐気に笑うとそのまま下着の上から憐霧のモノをなぞる様に愛撫し始める。
「あっ....くあっ」
指を動かすたびに苦悶の表情を上げて俺の愛撫に耐えている憐霧。そして俺はそんな表情がもっと見たくて次第に指を激しく動かし始める。次第に憐霧のモノが膨張して堅さを増していく。
「.....だめ....ご主人様ぁ....」
俺に寄りかかって悶えながら甘い声を上げる憐霧。首筋に憐霧の熱い吐息を感じる度に俺は背筋がゾクゾクっとする様な感覚を覚える。.......罪悪感と背徳感、そして征服欲が媚薬となって耐え難い精神的快楽を与えるこの感覚.....いかなる秘薬を持ってしても味わえないこれは.....そう、禁断の果実の味。
「もっと良くしてやるよ、憐霧.....」
俺は下着の中に手を入れ、直接憐霧の男性器に触れる。憐霧のモノは限界まで膨張していて、火傷してしまいそうな程の高熱を発していた。俺は暫く弄ぶように指を動かしながら先端を刺激する。
「ああっ....そん....な.....」
切ない表情を上げて俺にしがみつく憐霧。憐霧が感じている快楽が自分でも分かるのがまた面白い。
『.....感覚の共有...か。』
不思議と感じる一体感.....成る程.....ね。俺はしばらく撫でる様に弄り、突如ぎゅっと握りしめた。
「きゃうっっ!」
憐霧の体がびくんっと反り返り、憐霧の分身の先端から熱い液体が勢いよく迸った。
「はぁ...はぁ...ふぁ...ぁ....」
荒い息をしながら倒れ込む憐霧。
「フフ....」
俺はそんな憐霧を見て満足感を覚えながらも、新たなる欲望が俺を掻きたてる。
「憐霧......」
俺は憐霧の精液で汚れた右手を憐霧の目の前に差し出す。
「.....分かっているな」
「....はい」
恍惚とした表情のままでそう答えると、憐霧は俺の右手を丹念に舐め始める。
ぴちゃぴちゃという淫猥な音と右指に感じる憐霧の舌による擽られるような感触。それらが更に俺の脊椎にゾクゾクした感覚を与える。俺はそんな発作的に衝動のまま憐霧が完全に舐め終わるまで待たずに強引に腕をとって唇を奪う。
「ん....んん...はぁ.....っ」
もう理性も先ほど憐霧に唇を奪われた時感じた刹那の抵抗感も何処かに忘れてしまっていた。今の俺は憐霧の全てを手に入れたい....そして汚してやりたいというドロドロとした欲望に身を委ねている。それは独占欲.....いや、支配欲への渇望.....かもしれない。
ただ、この期に及んで....と言われそうだが、別に俺は元来男色の気が潜在意識の中に眠っていて、今回憐霧との情事でそれが引き出された訳じゃないと思う。....抱いている相手が憐霧だから.....はっきりいってこんな感情は相手が男だろうが女だろうが今まで感じたことが無かった。つまり、俺は.....
「ご主人....様ぁ....」
.....いつの間にか、いや、もしかしたら初めて会った時から俺は憐霧に魅入られてしまった.....のだろう。
「.....憐霧.....俺は....」
喉の奥から何か出かけたが言葉にはならなかった。.....その方が良かったか。
「.....ご主人様.....」
俺にもたれかかったままで問いかける憐霧。
「......ん?」
「....今度は...私にさせて下さい....」
「.....ああ。頼む」
二つ返事でそう答えると同時にもう一度憐霧をぎゅっと抱きしめるとふわっと芳香が漂って来る。.....憐霧の香りか....
『.....やっぱり男の臭いじゃないな....』
....ふっ、憐霧は神の仕組んだ悪戯....なのかもな。ま、最早どうでも良いことだが。
そんな事を勝手に考えている間に憐霧が俺のズボンに手を掛ける。手際よくズボンだけ脱がせるとそっと俺の分身に触れる。
「....クス。ご主人様のもこんなに.....」
憐霧が下着の上からそそり立った俺のモノを見て嬉しそうに呟くのを見て更に血が上っていくのを感じる。何かもう男のモノを弄り回してこんなになってしまったっていう自虐心も出てこない。
そして憐霧はそのまま撫でるように揉みしだいてくる。.....俺のやった事の再現か.....?
「ご主人様....そのまま横になられて下さい」
意地悪気な笑みと共にそう言うと憐霧は俺に軽く重心をかけ、そのまま俺は憐霧に押し倒される様な格好でベッドに仰向けになる。すると憐霧は片方の手で上着のボタンを外して俺の上半身を露わにすると俺の胸板に顔を埋めて乳首を舌で攻め始めた。
「......っ!」
慣れない刺激に思わず声を上げてしまう。
「ふふ....男の人でも結構ここ攻められると弱いんですよね.....」
そんな俺の反応を見てさらに激しく攻めたてる。それと同時に憐霧の右手は俺のモノを激しく愛撫し始め、一瞬我を忘れそうになるが....
『.....ち、ちょっと待て....』
このままだと胸で.....流石に男としてそれはちょっと.....いや、憐霧にするならかまわないが....ってそうじゃ無くて....
「くっ....れん....む....」
「はい?」
憐霧が顔を上げて俺を見る。.....俺は無言で憐霧を見つめた。
「.....分かりました」
憐霧はそう言って悪戯っぽく微笑むと俺の腰に手をやり、窮屈に包み込んでいた布を取り去り俺の分身を解放した。
「.....ご主人様の.....あったかい.....」
自分の目の前にさらけ出された俺のモノを愛おしげに握り、その瞬間俺の分身はびくんっと痙攣した。
『.....これはあんまり持たないな....』
それでも暴発は押さえたいとばかりに何とか耐えていると、憐霧は今度は俺の股間にしゃがみ込んで頬ずりを始める。憐霧の柔らかい頬が俺のモノを嬲る....が今の俺にとってこの快感は拷問に近いものがあった。
.....しかし、やがて憐霧はその手を止め視線を俺の目に向ける。
「.....さあ、どうして欲しいか具体的におっしゃって下さい.....ご主人様」
そう言って憐霧は天使の様な微笑みで悪魔の誘惑のような妖艶な声を上げる。....そして俺は誘い通りに自分の欲望を告げる。
「.....今度は....憐霧の口で....してくれ」
「かしこまりました。ご主人様.....」
憐霧は再び視線を元に戻し....俺の望み通りその小さな口で俺のモノをくわえ始める。
「く....あ.....」
その瞬間憐霧の舌が俺の分身に絡みつく。そしてその快感は俺の想像を遙かに超えたものだった。憐霧の口の中で生き物のように蠢く憐霧の舌使いに一瞬で頭が真っ白になる。
「.....れん....む.....」
もう...限界.....
「んんっ.....(じゅぷっ) は....んっ いいですよ....ご主人様の.....沢山.....憐霧のお口に.....んっ」
「.....くっ、出る.....っ」
....そう言って憐霧が尿道に強めに舌を這わせた瞬間、憐霧の口の中で俺の欲望の滾りが一気に解き放たれた。
「ん...んんっ.....ふあっ!」
そのあまりの勢いと量に憐霧は思わず俺のモノを吐き出してしまうが、口から出した瞬間今度は憐霧の顔に大量の白濁液が降りかかった。
「....はぁ...はぁ...はぁ....」
自分でも信じられないくらいの量の俺の精液が憐霧の顔を汚す。こういうのはご無沙汰だったから.....で結論付けられる量じゃないな....
「....こんなに...ご主人様のが....いっぱい....」
憐霧は呆然とした表情で顔にかかった大量の白濁液を受け止めていた。そして、そんな憐霧に俺は容赦なく「全部飲み干せ」と命令すると憐霧は俺の言われるがままに一生懸命飲み下そうとする。
「.....どうだ?俺の味は?」
脊椎反射的に出るこの台詞.....後で思い出したら自己嫌悪だろうな。
「.....おいしい....です.....」
顔を赤らめてそう答える憐霧。自分の期待通りの答えが返ったことに満足感を覚えるのと同時に、その憐霧の痴態を見て俺の下半身はさらなる欲望が首をもたげる。俺の分身は先ほどあれだけ出したというのにもうはちきれんばかりに膨張していた。
そして、俺はその欲望のままに憐霧に次の欲求を伝える。
「.....はい。ご主人様.....」
憐霧は躊躇いも無くそう答えるとスカートの下から下着を完全に下ろし、そして下半身をベッドに横たわっている俺の目の前に晒す。
すると俺の目の前に憐霧の白桃の様な丸い尻がアップになる。その肉付きの良さと肌の白さは、最早女性以上とも思える美しさと.....そして付けていたガーターベルトが更に淫猥さを演出していた。
「.....フフフ、可愛いよ.....」
独り言のように呟くと両手でそっと開いてみると、その奥には小さな憐霧の菊壺が覗いていた。.....それを見て俺の分身が更に血を滾らせる。
「.....恥ずかしいです....ご主人様ぁ.....」
軽く腰を振りながら甘えるような声で囁く憐霧。
「そういうのは嫌がっているんじゃなくて、一般的には誘っているって解釈されるもんだぞ。.....それより、ちゃんと奉仕しろ」
俺がそう命令すると、憐霧は再び首をもたげた俺の欲望の具現に舌で奉仕を始める。今度は口にくわえるよりも全体を湿らせる様に嘗め回す事を重視している様だ。今度は憐霧の口の中で果てるのが本意ではない。
下半身に感じる心地よい憐霧の舌の感触を味わいながらも俺は負けじと憐霧の尻の割れ目に沿って舌を這わせる。最初は入り口付近を......
「.....あっ!」
憐霧の体がぴくりと反応する。感度の方も申し分なし....か。
俺はゆっくりと舌を這い回せながら奥の方に差し込んでいく。すると、そのたびに小刻みに震えて反応する憐霧。やがて俺の舌は憐霧の菊壺に到達した。
「ひ.....っ!はぁあ.....っ」
甘い声を上げる憐霧。奉仕している憐霧の舌使いがたどたどしくなる。その為直接的な快感は幾分下がったが、自分の身に感じる刺激に耐えながらも必死で奉仕している憐霧を見ていると心の底からゾクゾクとした感覚が襲い、このたどたどしさが余計に快感を引き出させる。
俺はしわの数を数えるように自分の舌を菊壺の周りに這わせた。
「はぁ....ぁ.....く......はぁ......んんっ そんな....こと....」
憐霧の舌使いが絶え絶えになっていく。.....もう快感に溺れて奉仕どころじゃ無くなったらしい。舌の代わりに熱い吐息が俺の分身にかかっていく。.....これはこれでそそる物があるが。
「ほらどうした?口がお留守だぞ?」
舌での愛撫を続けながら腰を持ち上げて俺のモノを憐霧に突きつける。
「ごめんなさい.....でも.....あっ....刺激が.....強すぎて.......んっ!」
喘ぎながらも弱々しく答える憐霧。俺は一端動きを止めて、
「.....奉仕の邪魔になるならやめてやろうか?」
「.....」
俺が問いかけると憐霧は無言で再び奉仕を始める。恐らく「そのまま続けて欲しい」っていう無言の意志表示なのだろう.....が、
「.....それが回答のつもりか?物事ははっきりと言うものだぞ。憐霧?フフフ.....」
....さっきから鬼畜か俺は?と思いながらも、憐霧の声から卑猥な響きの言霊を感じ取りたいという欲望に勝てなかったりする。自分の欲望に極めて忠実な状態.....普段は俺が最も嫌っている行為なのだが。
「.....して下さい....」
数秒の間を置いて憐霧が口を開く。
「.....はっきりとと言った筈だろ?」
「....ご、ご主人様の舌で.....憐霧のイヤらしいお尻を.....たっぷりと弄って下さい......憐霧は....憐霧はお尻を虐められて感じているはしたないご主人様のメイドです......だから.....あぁっ!」
憐霧が完全に言い終わらないうちにむしゃぶりつく俺。先ほどより激しく掻き回す。
「だから.....こうして欲しいのか?憐霧?」
「ああああっ....はい....どうか.....お仕置きして下さい.....ご主人様ぁ.....ふああっ!」
......一回目の射精の時に少しばかり戻り掛けていた理性が再び音を立てて崩壊していくのを感じる。
やがて俺は舌を尖らせて少し挿入し始める。....普通なら女性相手でもここまではなかなかしないだろうが、憐霧に対しては何の違和感も躊躇いも無かった。入り口付近をこじ開けるように舌を上下させ、さらに奥に入ろうとする。
「ひ....あ....っ そんなコト.....しては......はぁ.....っ」
もう完全に俺への奉仕は忘れて快楽に没頭している憐霧。憐霧の手ががくがく震えているのが振動で伝わって来る.....まぁ今回は許してやるか。しかし.....
『俺のモノが入るには少し小さすぎるかな.....』
小さめの憐霧の菊門は見た感じだと俺の指一本入るのが精々....って感じである。ここに無理矢理俺のをねじ込む....って事に激しい興奮は感じるが、同時に少々不安感も感じていた。
『.....あれがあったかな.....』
その時、俺の部屋の戸棚にワセリンがあったのを思い出した。そして俺は意識を集中してワセリンが入っている小瓶が目の前にある事をイメージする。
ヒュンッ
すると次の瞬間、風を切り裂くような小さな音と共にそれが目の前に現れ、俺はそのまま手に取った。
「.....ご主人様.....?」
不思議な物を見た表情で俺に振り向く憐霧。
「ん?魔法を見るのは初めてか?」
「....いいえ。でも....空間転移の魔法なんて初めて見ました.....」
「まぁ、結界の力を使った仕掛けを応用して尚極めて短距離に限られる魔法だがな。だが、俺はこれでもこの道じゃ少しは名のしれた魔術師のつもりだし、この程度で驚かれるには及ばないさ」
とはいえ、実は空間転移の魔法属性、時空魔法は現在は禁呪の一つだったりするのだが。もし勝手に禁呪を使っている事がこの国の魔術師を統率しているギルドに知れたら俺は即刻追放、下手したら魔力封じの呪いで魔術師の力を封印されかねない。
.....ならば何で俺はそんな危険な真似をいとも当たり前のように憐霧の前でやった?これはある意味憐霧に自分の最大の弱みを自分から晒け出した様なものだぞ......?
「.............」
手に取った小瓶を見つめながら普段の自分らしくもない迂闊で不可解な行動に少し考え込んでしまうが、
「それよりご主人様ぁ.....はやく.....続きをお願いします.....」
という憐霧の甘えた嘆願であっさり先ほどまでの自分に戻る。.....まぁいいか。
「....分かってる.....その前に少し下準備しておかないとな.....」
俺は小瓶の蓋を開けワセリンを右指で少しすくい取り、そしてその指を憐霧の菊門に宛う。
「!あっ.....冷たい....です.....」
「少し我慢してろ.....指入れるぞ」
そう言うと俺は中指を挿入し始める。ぬるっという感触と共に指が憐霧の菊壺に吸い込まれていく。
「あ....はぁ....っ」
一本目は割とすんなり入ったので続けて人差し指を加えて指2本で挿入してみる。
「く.....あ.....あ.......」
少し苦しそうな声を上げる憐霧。だが確かにかなりきつい感じだが、何とか入らないこともない。
『.....これなら大丈夫....かな』
そう判断した俺はその後時折指を少し開きながらゆっくり上下させていく。
「やぁぁ.....あ......は.....んっ.....ぅあ.....く.....」
目にうっすらと涙を浮かべながら喘ぎ声を上げる憐霧。憐霧の口から零れた唾液が俺の分身に落ちる。.....俺の我慢もそろそろ限界か.....?早く憐霧の菊壺の味を試してみたい......
「.....そろそろいいか、憐霧......」
俺は挿入していた指を引き抜いて囁きかける。
「.....は....い.....」
憐霧は少し息を上げながらそう答えると躰を少し前にずらす。俺はそのまま憐霧の両足の間から体を起こした。ワセリンを塗り込んだ憐霧の菊門がテカテカと光って俺を誘う。
「憐霧....俺のが欲しいか?」
「......下さい.....ご主人様の.....」
小さく答える憐霧。
「フフ.....ならちゃんとおねだりしてみろ」
俺がそう命令すると憐霧は両手で両方の尻を開いて俺に見せつける様な格好になり、躊躇いがちな口調で哀願する。
「お願いです.....憐霧の.....お尻を.....ご主人様の.....太くて....逞しいモノで.....いっぱいいっぱい犯して下さい......」
「......ああ。望み通りたっぷり犯してやるよ......」
憐霧の台詞に満足感を覚えると、俺ははち切れんばかりに熱く滾った分身を菊門の入り口に持ってくる。そして先端をワセリンで少し馴染ませた後、
「......いくぞ。力を抜けよ」
と憐霧に....というより自分自身にかけ声を掛けてゆっくりと憐霧の中に挿入していく。
「あ.....く.....っ」
憐霧の苦悶の声を後目にゆっくりと挿入していく。流石に入り口で強い抵抗があったが、ワセリンを使ったり、予め指でそれなりに慣らしておいたお陰で何とか入っていく。
『く....これ....は.....』
門をくぐって中に入ったとたん憐霧の媚肉が俺のモノに絡みついてくる。女性の性器とは違う、初めて味わう感覚にいきなり俺の欲望の滾りは爆発しそうになる。
「はぁ....はぁ.....あ.....」
そして、その一方で憐霧は自分の小さな菊壺で俺のモノを痛々しいほどに広げて迎え入れており、声も絶え絶えに強い異物感に耐えていた。
「.....大丈夫か?」
まだ半分程度しか入ってないが動きを止めて尋ねる。
「大丈夫....です......くっ」
.....それが強がりというのは目に見えて明らかで少し心配になるが、苦しげな表情で耐えている憐霧の表情もまたそそるものがあったりする。
「もう少しで全部入るからな......」
殆ど独り言のように呟きながらさらに奥まで押し込める。
「あ.....あ.....くぁ......っ」
腰を深く突き入れるたび苦しげな声で喘ぐ憐霧。.....その憐霧の躰を気遣いながら、やっている事は鬼畜そのものっていうのが何とも二律背反で妙な話だが、憐霧を愛おしく思う気持ちと、思い切り汚してやりたいという二つの気持ちはどちらも俺の真実には違いない。
『....?愛おしく? .......俺が?』
複雑な想いを頭に巡らせながら段々と根本まで埋め込む。少しでも気を抜いたら暴発しそうな程の締め付けなのだか、何とかそれに耐えているのは先ほどから余計な気持ちがまとわりついているから....か?
「..........」
ほぼ根本まで入れた時点で一端動きを止める俺。
「.....どうかなさいましたか?」
俺の様子に変化を感じたのか、憐霧が尋ねてくる。俺は繋がったまま
「.....なあ、憐霧......お前は俺のことどう思ってる......?」
と尋ねてみる。
「え?」
「......いや、何でもない」
.....ったく何を言っているんだ俺は......軽薄とも思える自分の発言に自己嫌悪を感じていると、憐霧はこちらをちらと振り返り、くすっと笑顔を見せて
「ご主人様は.....憐霧のご主人様です。これからもずっと.....ご主人様がその手をお離しにならない限り......」
と答えた。
「......そっか......」
「.....ならこのまま離さないでいよう」.....とでも一瞬頭に浮かぶが、やはり喉の奥につっかえて言葉には出てこない。出たら出たでまた自己嫌悪だろうが。
......とりあえず余計な事は考えないで行為に集中するか。
「.....そろそろ動くぞ、憐霧......」
俺は憐霧を再び四つん這いの状態に戻すと、腰を動かし始めた。
「はい....あ.....んっ」
腰を動かすたびに憐霧の中で生き物の様に絡みつかれる様な感覚を覚える。......最初は痛いくらいの締め付けも、序々にぬめりが出て来てちょうど良い具合になってきた。
俺は自然と腰の動きを強めていく。
「憐霧.....っ」
「はぁ.....っ ご主人様......あああっ .....くふぅっ」
憐霧の名前を呟きながら次第に無意識に憐霧を後ろから抱きすくめる俺。......憐霧の声も次第に変わってきた様だ。そろそろ快感が憐霧の感覚を支配するようになった様だ。
「......そういえばこっちは.......」
差の時、俺は不意に思い出したように後ろから憐霧のモノに触れてみる。
「.....あっ そこは......」
びくっと電気が走ったような反応を見せる憐霧。憐霧の分身は先ほど弄ったときと同じ....いや、それ以上に熱く、そして膨張していて先端からは既に憐霧の雫がこぼれ落ちていた。
「ふふっ、暴発寸前なのは同じって事だな」
俺は腰を動かすのと同時に憐霧のモノを握っている手を上下させ始める。
「ひ.....あっ ダメ....です.....そんなコトしたら.....ぁっ!」
その途端憐霧の喘ぎ声が一段と高くなり、甘く淫猥な声が部屋中に響きわたる。
「.....もっとだ.....もっと聞かせてくれ.....」
俺は自分の顔を顔を憐霧の耳元につけて囁着かけながら憐霧のモノが脈打っているのを感じながら手の動きをさらに早める。
「や....あ......ああっ!」
.....その時不意に憐霧のモノから熱い白濁液が吹き出される。それを見て俺は意地悪気に耳元で囁く。
「何だ、もういったのか......俺に奉仕するんだろ?それを忘れて自分だけ果てるとは悪い子だな。フフフ......」
「ご、ごめんなさ......あぅっ!」
予測通りの台詞が終わらいうちに俺はそのまま手の動きを続けた。
「あ....っ .....出したばかりなのに....っ お願いです......少し休ませ.......んっ!」
哀願する憐霧を無視して俺は容赦なく続ける。......女と違って男はそう連続で何度も出来るものじゃない。出した後に続け様に攻められる辛さは分かっているが、それが故に余計俺を駆り立てる。それに深く差し込まれて絶え間なく前立腺を刺激されているせいか、憐霧のモノはもうすっかり復活していた。
「ダメだ.....もっと激しく行くぞ......」
俺は口元を歪ませながら非情とも言える返答を帰すと、憐霧の腕をぐいと引っ張り憐霧の体を起こさせ、後背位状態で後ろから攻めていた自分の体を横にする。
「あ.....ぅあっ! はぁ.....ぅんっ!」
それによって憐霧は俺の上に後ろから跨いでいる様な体勢になり、俺の分身が憐霧の菊壺に根本まで完全に飲み込まれる。
「今度は自分も動くんだ。憐霧......」
俺が下から突き上げながら命令すると憐霧もおずおずと動き始める。
「はぁ....っ ん.......くはぁ.....っ」
次第に二人の動くタイミングも合う様になり更なる快感が俺を襲う。やがて最初はぎこちなかった憐霧の動きも次第に早くなっていく。
「んぁぁああっ もっと....もっと下さい.....ご主人様ぁ」
乱れた喘ぎを上げながら更に強く締め付けて俺のモノをくわえこむ憐霧。千切れそうな程の強い締め付けと媚肉の絡みつきで快感は最高潮に達する.....のはいいのだが流石に俺も限界が近くなっていた。寧ろ今までは簡単に出すまいと我慢しながらだったのだがもうそれも適わなくなってきたという方が正しい。
「憐霧.....俺.....もう.....」
俺はまた憐霧のモノをしごく手を強める。
「憐霧も.....もう.....ダメ......んあああっ ご主人様ぁ......今度は一緒にぃ......っ」
恍惚の表情を見せながら激しく腰上下させる憐霧。俺ももう何も考えずに快楽だけに意識を集中する。
「く....う....れん...む......」
「ご主人様.....ご主人様ぁ......っ」
背筋からゾクゾクしてくる感覚と共に言いようのない高ぶりを感じる。やがてそのパトスは一点に集中して強烈な射精感を与え、そしてそれを止めるまもなく一気に爆発した。
「あああ.....ご主人様ぁ.....熱いぃぃっ!!!」
ドクン
そんな音が聞こえそうな感覚と共に俺の分身から再び大量の白濁液が憐霧の菊壺の中に降り注ぐ。又同時に憐霧の分身からも勢い良く飛び出していた。
「.....はぁ....はぁ....はぁ......っ」
荒い息を上げながら俺はゆっくりと自分のモノを引き抜くと憐霧の菊門から俺の精液が溢れてこぼれ落ちていった。
『.....またもの凄い量だな......』
連続して2回目の射精だと言うのに先ほど以上の量を出した様な気がする.....2週間分くらいはまとめて出たかもな.....
「はぁ....はぁ....ご主人様のが.....いっぱい.....」
虚ろな表情で呟きながらぐったりしている憐霧。
「.....疲れたならしばらく横になってろ」
そう声をかけると、俺は自分で脱ぎ散らかした自分の衣服を手に取る。肉体は俺もそのまま可憐と一緒にもうしばらく転がっていたかったのだが精神はそれを良しとしなかった様だ。
『...........』
そして、服を着ながら俺は先ほどまでの憐霧との情事を反芻する。
「やっぱ俺らしくないよなぁ.....」
何の回答を求めているのか自分でも分からない言動といい時空魔法を見せた事といい.....そもそもいくら可愛いとはいえ俺は男の子に.....まぁこれはこの際どうでもいいか。問題はどうしてこんなに執着を感じるかだ....しかも出合って間もない相手にここまで.....
「..........」
.....その結論はもう出ているか.....考えるまでもない。ただ必要なの自分自身の踏ん切りだけ.....だ。
まぁそれは言うほど簡単な事ではなかろうが。必要以上の馴れ合いなど虫酸が走る....性格だったよな?確か俺は.....
「.....ご主人様.....」
憐霧がむっくりと起きあがる。
「ん?」
そして意味ありげな微笑みと共に
「.....合格.....いただけますか?ご主人様?」
.....業務に支障....についての回答か。元々そういうつもりじゃ無かったのだが......まあいい。心の底ではそういう期待をしていたのも事実だし。
「.....ああ。多分.....な」
俺はその問いに曖昧な答えで返す......自分で分かる。これは俺が本気な証拠......
「クス....ありがとうございます」
俺の真意を悟ったのか、俺の返答に嬉しそうな笑顔を見せる憐霧。
「.....もう少し横になってろ」
憐霧に背を向けたまま俺がぶっきらぼうに促すと、憐霧は「.....はい。ではお言葉に甘えて......」と答えるとそのまま再びベッドに横になった。俺は先ほど憐霧が締め切ったカーテンを開けて窓の外を見つめると、もう日が沈みかけて空は夕やけで染まっていた。
「.....もうこんな時間.....か」
やれやれ....真っ昼間から何やってたんだか......
そしてちらと憐霧の方に顔を向けると、憐霧は静かな寝息を立てて眠っていた。
「.....おいコラ、好きなだけ眠っていいとは言ってないぞ、俺は」
とも思ったが、
「まぁいいか」
と独り言を呟きながらそのままにしておく事にする。.....幸せそうな顔で眠っている憐霧の寝顔を見ていると何となく心が安らぐ気分になってくる。
「.....やっぱり不思議な奴だよ、お前は......」
俺は少し自嘲気味に笑うと憐霧に毛布をかけてやる。
「...........」
.....俺は憐霧の寝顔を見つめながら何か新しい始まりを朧気に感じ取っていた。
*******終わり*******
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