眠れるお姫様とエトランジェ Phase-6:『落下流水』
6-12:蜜夜。
「…………」
「…………」
「…えっと、みゆちゃんまだ怒ってる?」
やがて、芹沢さんが様子を見に来るまで続いた長〜いお風呂タイムの後の帰り道、わざとらしい位に頬を膨らませて仏頂面を見せるわたしに、並んで歩く柚奈がこちらの顔をちらちらと覗き込みながら話しかけてくる。
「当たり前だっての。もう、いくらなんでも調子乗りすぎ…」
まったく、ある程度まではもう観念したつもりだったけど、まさかあんなコトまでされるとは…。
「ごめ〜ん…みゆちゃんの告白に感極まっちゃって、ついつい…」
「ついついじゃないわよ…まったく。本能の赴くままじゃなくて、少しは自重しなさいよね?」
「あはは、お尻の穴にまで指を入れちゃったのはやっぱりちょっとやりすぎ…」
「……っ!ああもう、分かった、分かったから…っ」
しかしこのまま謝らせ続けても、こちらがどんどん自爆していくだけの予感がしたわたしは、慌てて柚奈の口を塞いだ。
「むむう〜っ?!」
「ええい。そろそろ許してあげるから、少し黙りなさい」
「ふ、ふぁい…」
「…ったく…」
まぁ、無用に調子付かせてしまったのはわたし自身なんだけどね。
おかげで、お尻のバージンを先に奪われちゃったし。
「まぁまぁ、これも愛ゆえの至りってコトで♪」
「もう、すぐそれで片付けるんだから…」
とは言え、確かにその言葉自体に一点の曇りも無いのは分かってる。
…ただ、それ故に余計タチが悪いとも言えるんだけど。
「だって、私がみゆちゃんに差し出せるのはそれだけだし〜♪」
「はいはい…ええと、それで一応確認しておくけど…わたし達って、これで一線超えちゃった事になるの…?」
ともあれ、柚奈からの弁解を半分受け止めて半分流した後で、ぼそりと呟く様に尋ねるわたし。
何だか必要以上に頬が紅潮してるのは、湯当たりだけじゃない気がする。
「ん〜?単にお風呂で洗いっこしただけだよ?みゆちゃん自身もそう言ってたじゃない?」
「いや、まぁそうだけどさ…」
確かにキスもしてないし、あれを性行為と呼ぶのかどうかは微妙な所ではあるんだけど…。
「とりあえず個人的には、ようやくみゆちゃんの生まれたままの姿が見られたから、私としてはそれだけでも記念日ものかな♪」
「…ばか…」
思わず捨て台詞と共に顔をぷいっと背けるわたしなものの、でも柚奈の言う通り…これで今まで隠していたほぼ全部の部分を見られてしまった。
だけど、水着を脱ぐと決めた後は、まるで魔法にかかったみたいで結局抵抗しきれなかったのも確かだけど。
「むふ♪…もちろん、だからといってこれで満足なんてしてないし、みゆちゃんと結ばれたなんて主張する気も無いけどね」
「う〜っ…やっぱり、そうな…ぁ…っ?!」
そして柚奈がそう続けるや否や、わたしは不意打ちを受けて廊下の壁を背に迫られ、さきほどようやく沈静化した胸が再びドキドキと高鳴り始める。
確かに、さっきも事あるごとに「後でゆっくり…」みたいな事言ってたし…。
「えと…一応確認しておくけど、やっぱり今夜は…その、そういうコトするつもりでわたしを迎え入れたんだよね…?」
「うん。ついこの間まではチャンスがあったら…って程度だったけど、今日は本気」
今更聞くまでも無い質問だったものの、確認しておきたくて恐る恐る尋ねるわたしに、柚奈は先ほどの様な真剣な眼差しで肯定してきた。
「…柚奈…」
考えたら有無を言わせぬ迫力というか、柚奈が怖い位に真剣さを帯びた表情を見たのは、自分に対してだと今日が初めてだった気がする。
多分、柚奈は今夜が勝負どころと見て…。
「だって…お風呂の時もそうだったけど、ひと目惚れしてから今までずっと我慢してたんだもん。もう限界だよ」
「…………」
「だから、みゆちゃんは勉強を教えてあげるって誘い込まれて、私に立場を利用されて無理矢理襲われちゃったって事でいいからね。何なら平手うちしてくれてもいいけど、でも今夜は譲らない」
「…そこまで卑怯じゃないわよ、わたしも。こうなるのは分かってて来たんだし」
そう言って、いつもの余裕も無邪気さも消えた必死な目を向ける柚奈に、わたしは少しの間を置いた後で、繋がっている手を強く握り返した。
「みゆちゃん…」
まぁ確かに、100%柚奈の手の中でコトが運んでる気がするのは、ちょっとだけ癪に障るけど…。
「いいよ、柚奈。好きにして…わたしも柚奈の事、好きだから」
わたしはそれだけ続けて目を閉じると、近づいてくる柚奈の唇を受け入れた。
*
「ん…あ…っ、柚奈ぁ…っ?」
「みゆちゃん…みゆちゃん……っっ」
やがて部屋に戻るや否や、もう前フリも何も無しでわたしはいきなりベッドに押し倒されて、柚奈の為すがままに唇や互いの身体を絡み合わせていた。
「もう…んっ、せっかちすぎぃ…」
「でも、みゆちゃんが悪いんだよ?今までずっと焦らされ続けたんだから…」
「う〜っ…しょうがないじゃない。大体、あんたは普段からガツガツしすぎなんだってば」
食べる気を隠そうともしないトラを前に、逃げ出さないウサギなんていません。
「だけど、遂に報われる時が来たんだよね。んふふ〜♪」
しかし柚奈にとっては最早どうでもいい話なのか、早々に問答を打ちきったかと思うと、後からわたしの身体を包み込む様に強く抱きしめてきた。
「そうみたいね…結局はわたしの根負け…かな」
一方のわたしの方は、とうとう柚奈のものになってしまったという敗北感というか、今まで勿体ぶってたモノを全て失ってしまったというか、今までの柚奈のとの関係が一旦終わってしまったという喪失感みたいなものを感じてはいるものの…。
(でも、思ったより悪くは無い…かも)
同時に、今まで守ってた部分を柚奈に奪われていくごとに不思議な開放感も感じてるというか、こうして包まれる様に抱かれる心地は、まるで揺りかごの中にいる様だった。
(差し伸べられた手を素直に取るのが、こんなに気持ちいいなんてね…)
もしかしたら、最初から素直に受け入れてた方が良かったのかな…?
「…………」
いや、やっぱり疑問を残して心に引っ掛かりを抱いたままでは、こうはいかなかったんだろうけど。
「ふう…こうしてると安心するっていうか、これだけで凄く幸せだよ…」
そして柚奈も同じなのか、わたしの身体を抱きしめた所で一旦手を止めると、そのまま自分の身体と密着させたまま感慨深そうに呟く。
「…んじゃ、このまま朝まで抱き合ってる?」
「い・や♪」
しかし、続けて自然とわたしの口から出てきた台詞に対しては、間伐入れずにきっぱりと拒否されてしまった。
「あはは、やっぱりね…」
「…みゆちゃん、まだ躊躇いとか残ってる?それとも…怖い?」
「まぁ今更逃げ出そうとか、嫌とか言う気は無いんだけど、あのね、柚奈…?」
確かに怖いと感じてる部分もあるけど、それをはっきりと言葉にしたくないわたしは、遠回しに自分の本音を切り出していく。
「うん?」
「えっと、さっき見ての通り、わたし…こういう経験はまだだったから…その…」
「大丈夫♪ちゃんと優しくしてあげるから」
「…あ、いや。別にそれを心配してる訳じゃなくて…」
「ほえ?何か心配事…?別にあの日でもなさそうだけど、そうだとしても私は別に構わないよ?」
「違うっ、そんなんじゃなくて…その…あんたの事だから、怪しいグッズとか沢山用意してるのかなーとか…いきなりそういうのは勘弁して欲しいかなーとか…」
わたしに見せてその気にさせようって目的とは言え、レズもののAVなんて調達してるんだから、その気になれば一声かけるだけでいくらでも揃えられそうだし。
何だっけ、張り型みたいなのが付いてるバンドとか、いきなりああいうので犯されちゃうのは、いくらなんでも心の準備が足りなさ過ぎるというか。
「え〜?そんな邪道なモノなんて使わないよぉ。…やっと、みゆちゃんの身体の隅々まで心置きなく見て触って舐り回せるっていうのに、どうして道具越しなんかでしなきゃならないんだか」
しかし、内心で結構ビクつきながら恐る恐る尋ねるわたしに、愚問とばかりの呆れきった口調で返してくる柚奈。
「ね、ねぶり回すって…」
ひとまず安堵はしたものの、それはそれで、なんというイヤらしい響き…。
「…そのかわり、みゆちゃんの身体に触れてない部分は無いって位に、舌と指でたっぷりねっとりと攻めちゃうけど♪」
そして柚奈はそう続けると、わたしの身体を抱きしめたまま、首筋へゆっくりと柔らかくて生暖かい舌を這わせてくる。
「あ…ぅ…っ」
今までなら、ここで無意識に防衛本能が働くはずなのに、やっぱり今回は胸がドキドキしてくるだけで、しっかり受け入れてしまっていた。
「うふふ…覚悟してね、みゆちゃん。もうどんなに恥ずかしいってすすり泣いても、止めてあげられないから」
「意地悪…そう言って、わざと恥ずかしがらせようとしてる癖に…」
まるで、身体の方はとっくに覚悟してる反面で心の方は簡単には落とさせまいと、わたしが踏ん張るよりも柚奈の方から仕組んでいる様な…。
「だぁってぇ、恥ずかしがるみゆちゃんって可愛すぎるんだもん。そうやって羞恥に視線を背け、身体を震わせるたびに、私の理性の壁はまた1つ壊れていくんですよ…と」
すると、柚奈はそんなわたしの疑念を肯定するかの様な台詞を返した後で、今までお腹の辺りを抱きしめていた両手を胸元の方へ伸ばしてきた。
「ん…あ…っ、も、元々あんたに理性なんてものがあったなんて初耳なんだけど…っ?」
万年発情娘の異名を持つ、変態お嬢様の癖に…っ。
…って、これはわたしが勝手に付けたんだっけ?
「んふ…それに、恥ずかしいコトされればされる程、みゆちゃんって火が点きそうだし」
「か、勝手な事言わな…ひぁんっ?!」
しかし、そんなわたしの抗議を柚奈はあっさりとスルーしてしまうと、やがて胸全体を優しく愛撫していた指先を、今度は先端の部分へ向けてソフトタッチでなぞってくる。
「まぁまぁ、こういうのはお口よりも身体に直接聞いちゃうのが一番だ・か・ら♪」
「はぁ…っ、あ…ああっ、そんな…いきなり…ぃっ」
何だかムズムズする様な微弱な感覚から、突然背中を反らせてしまう様な強い刺激が背筋を駆け巡り、思わず背中を震わせながら過敏に反応してしまうわたし。
お風呂でのパターンから、もうちょっと焦らされた後だと思って心の準備が充分じゃなかっただけに、わたしは早くも声が抑えられなくなってしまっていた。
「ほーらほら、ちょっと弄っただけで固くなってきてるよ〜?みゆちゃんの着ている薄いパジャマなら、服の上からでもはっきり分かっちゃうんだから」
「ば、ばかっ、ヘンタイ…っっ」
同時にまるで言葉責めの如く、敏感な部分を弄り回しながら、ワザとイヤらしい口調で耳元へ囁いてくる柚奈の吐息とねっとりした視線に、わたしは思わず両手で顔を隠してしまう。
一体何処のエロオヤジよ、あんたはっっ。
「でも、気持ちいいんでしょ?お風呂でもあんなに感じてくれてたじゃない?」
「〜〜〜〜っ!」
そしてそう続けた後で、柚奈は表面をこねくっていた指を突然押し戻すかの様にぐいっとめり込ませ、思わず仰け反らせながら大きな声が出そうになった所で唇を噛むわたし。
「…もう、別に声を抑えたりしなくていいのに。家の人には、今晩はみゆちゃんとたっぷりHな事するから邪魔しないでって言ってるし」
「んな…っ?!」
「あは、冗談だよ〜。でも、ちゃんと部屋は防音だし外に聞かれる心配はないからね?」
「別に、それだけじゃないってば…」
本来は、わたしの背中に張り付いて好き勝手してくれてるお姫様に聞かせるのが一番恥ずかしいってのに。
「…って事で、安心してもらった事だし、そろそろ脱ぎ脱ぎしちゃおっか♪」
しかし、柚奈の方はわたしの本音などお構いなしといった具合で(おそらく気付いてはいるんだろうけど)勝手に話を進めると、ブラウスの一番上と二番目の結び目の中間に手を差し込み、そのまま手を広げた後で一気に引き下ろして、あっという間に全てのボタンを外してしまった。
「へ…きゃあんっ?」
それからもう片方の手で袖を引っ張り、殆ど一瞬で上半身から剥ぎ取ってしまうと、流れる様な手さばきで今度は腰元へと指を引っ掛け、パンツを一気に引きずり下ろしてくる柚奈。
(ち、ちょっ…素早すぎぃ…っ?!)
正確な数値は分からないものの、その間にして僅か数秒。いちいち恥ずかしがる暇すらなく、わたしはあっという間に下着姿にされてシーツの上へ横たわっていた。
「…………っ」
しかも、決して力任せの強引なものではなく、まるで巻き付けたバスタオルが自然と落ちるかの様に抵抗を感じさせないままナチュラルに剥かれてしまい、わたしはその鮮やかすぎる手際に対してただ呆然とするしかなかったりして。
(もしかして、桜庭家に伝わる妙技の1つとかだったりするのかしら…?)
うちの母親も含めて、どうしてこう自分の周りには、女の子相手となると素人とは思えない技能を発揮する連中が揃ってるんだか。
「んふふ…じっくり脱がせても良かったんだけど、私の方もいい加減焦らすのは我慢出来なくなってきてるしね。それじゃいよいよ本格的に、たっぷりねっとりと…」
そして、ひと仕事終えて満足そうな笑みを浮かべると、わきわきと両手を妖しく蠢かせながら、わたしの身体へダイブして来ようとする柚奈。
「ち、ちょっと待った…っ、わ、わたしだけ脱がされるのって不公平じゃない?」
しかし、そんな柚奈へわたしは慌てて制止をかけると、両手で胸や股間の辺りを隠しながら訴えかける。
どうせこの後も羞恥プレイまがいの事をする気だろうに、わたしだけが恥ずかしい部分を晒され続けるというのは納得がいかない。
「ああ、ゴメン。そうだったねぇ…んじゃ、空中で裸になりながら飛び込もっか?『み〜ゆちゅわーん♪』とか叫びながら」
「そ、それはあの伝説の…って、本当に出来るの?」
「…むぅ、残念ながら言ってみただけ…。まぁ、みゆちゃんがどうしても見たいって言うなら、これから特訓するけど…」
「あはは、別にいいってば…。気持ちだけ受け取っとくから」
でも、本当にわたしが「どうしてもやって見せて」とリクエストしたら、本気で練習したりするんだろうなぁ…このお馬鹿な程に一途なお嬢様は。
(…まぁ、だからこそ柚奈になら全部あげてもいいかって思ったんだけど)
きっと無償の愛の代償は、同じ愛情でしか応えてやる事は出来ないだろうから。
「んじゃ、私もすぐに脱ぐからちょっと待っていてね?」
「うん…」
…という事で、勝手な自己完結ながらも、何だか気分が楽になったわたしは、微笑を返しながら頷くものの…。
しゅるっ、ばさばさっ
「…………」
「…………っ」
ちょっと、甘かったかも…。
「…これでいいかな、みゆちゃん?」
「あ、う、うん…その…」
やがて自分の時と同じ位の早業で下着姿になった後、微笑を浮かべながらこちらへ屈み込んでくる柚奈を見て、わたしは一度落ち着きかけた胸が再びどきまぎと騒ぎ始めていた。
「……?どうしたの?」
「あーいや…その…」
そこで思わず、顔に熱を帯びながら照れた様に視線をちらちらと逸らせてしまうわたしに、純白のレース生地で包まれた形のいい胸を強調しながら、きょとんとした顔でこちらを覗き込む柚奈。
(しまった、これは予想外だった…)
…つまり、ぶっちゃけて言えば、柚奈を脱がせた事で目のやり場に困る様になり、余計に恥ずかしかったりして。
あと、今までは柚奈に悪戯されているという感覚から、お互いに下着姿になったって事で、改めて柚奈とこれから性行為をするんだなーという実感が芽生えてきたのも大きな要因だった。
先程のお風呂の時は何だかんだ言っても入浴の延長線だったけど、ベッドの上で裸になっている今は、完全に弁明の余地は無い訳で。
(とうとう、これから柚奈とあんなコトやこんなコトを…)
勿論、決してイヤじゃなくて、むしろこの胸の昂りは期待感を込めてるってのは今更否定する気も無いんだけど、それでも…。
「みゆちゃん…やっぱり、まだ怖い…?」
「う、うん…ちょっとだけ…」
すると、そんな複雑な心境を悟ってくれたのか、不安じゃなくて包み込む様な優しい笑みを浮かべて今一度尋ねてくる柚奈に、小さく頷きながら素直に本音を吐露するわたし。
いくら前哨戦をやったからといっても、これがわたしにとって、正真正銘の初体験なのだから。
「大丈夫だよ〜。何だかんだ言っても、お互いの愛情と温もりを確かめ合うだけの事なんだから」
「…そうなんだろうけどね。んで、柚奈の事も信じてるつもりだし…」
なのに、未だに怖いって感じてるのは…どうしてなんだろう?
「それでもまだ、みゆちゃんが怖いと感じているのなら、その根源は多分、後には退けない境界線に立ってるからだよ。この先の一線を越えれば、もう今までの二人には戻れないだろうから」
「…………」
「だから、もし…みゆちゃんが未だに悩んでいて、もっと時間が欲しいというなら…」
「…違うよ。そんなんじゃなくて、自分で自分が嫌になる位に意気地なしでヘタレなだけ」
しかし、気遣いの言葉を続けてくれた柚奈に、わたしは静かに首を振ってそれを遮った。
「そんな…みゆちゃんは真剣に考えてくれてるからこそ…」
「ううん…もうとっくに自分の心は決めてるハズなのに、どうしても自分からは踏み出しきれないの。本当は今日だって、こうなる事は覚悟して来たつもりだったのに…」
でも、だからと言って自分の弱い部分を放置したまま、同じ過ちを繰り返したくはない。
…何より、柚奈をいつまでも苦しめたくはない。
だから…。
「自分を責めないで、みゆちゃん…私がちょっと焦り過ぎたのが悪いんだよ…だから…」
「…ね、柚奈。1つだけワガママ言ってもいいかな?」
「え…?」
「見ての通り、いつまでも甘ったれなわたしは…やっぱり誰かに引っ張られないとダメみたい」
「いいんだよ、みゆちゃんはずっと私に甘えてくれていて。…ううん、むしろこれからはいっぱい甘えて欲しいよ…」
「…ありがと。だからね、柚奈…これ以上はもう気遣ったり、了承とか取らなくていいから…」
「…………」
「だから…後は柚奈の求めるがまま、わたしの全てを奪って」
わたしは唇を噛みしめて意を決すると、優しい笑みの中にも何処か不安の色を宿した柚奈の目を真っ直ぐ見据えながらそう告げた。
「みゆ…ちゃん…」
「ゴメン…こんな言い方は卑怯だってのは分かってる。でも、こんな意気地なしに惚れちゃった弱みだと思って…ね?」
「…ううん。言葉なんて、所詮は記号に過ぎないものだから。それでも、みゆちゃんの気持ちはちゃんと受け止められたから…だから…ぐすっ、それでもう…何も…っ」
「…もう、こんな時に泣くんじゃないの」
そして、最後まで言い終わるのを待たず、瞳から大粒の涙を溢れさせる柚奈に苦笑いを返してしまうわたし。
「だって…みゆちゃんって普段はあんまり好きとか言ってくれないから、ここぞって時には余計に響いちゃうんだよ…」
「悪かったわね…そういう性質じゃなくて」
これでも、柚奈を受け入れた後は時々ぐらい言ってやろうかなとは思っていたのに、ついつい噛んだり躊躇ったりして、タイミングを逃がしてしまう事の繰り返しだった。
…だから、結局はこうして肌を重ね合わせたりするしかないんだろうけど。
「うん…知ってる。んじゃ、そういう事ならお言葉に甘えて、遠慮なくいただいちゃうから♪」
「あ…でも…お約束の台詞だけど…優しくしてね…?」
ただ、やっぱり初体験特有の火を噴く様な恥ずかしさと不安感は愛情とは別問題で存在しているのは確かなので、そこは改めて念を押しておこうとするものの…。
「聞こえませーん。私の好きにしていいって言ってくれたんだから、後は愛と欲望の赴くままにさせてもらいま・す♪んふっ」
しかし、柚奈はそんなわたしに幸せそうな顔を浮かべながらワザとらしく首を左右に振ると、問答無用とばかりに覆い被さってきた。
「もう…そこは嘘でも頷いとく所でしょ?」
「残念ながら、私も大切な人の前では嘘をつかない主義だし。…これから二人で境界線を越えちゃおうね?みゆちゃん」
それから互いの手を絡め合わせた後で、早速スリスリと指を擦れ合わせて刺激してくる柚奈。
「ん…っ!…いっ、いちいち了承は要らないって言ったはずでしょ?」
「…愛してるよ、みゆちゃん。でも、別に返事はいらないからね。身体に聞いちゃうか・ら」
くすぐったいやら恥ずかしいやらで、視線を泳がせながら照れ隠しを呟くわたしに、柚奈は一方的な愛の告白で会話を締めてしまうと、そのまま望み通りの了承無しで唇を重ね合わせ、次のステップへの扉を開いてしまった。
「んむ……っ」
(あ、これ…気持ちいい…)
今、ちょうど境界線の向こう側の入り口へ立った辺りだろうけど、何だか溶け込んでいく様な開放感がわたしを包んでいく。
重ね合わせた唇に絡ませた指、そして密着する肌の温もり…その全てが、どうして今までこうなる事を拒んでたんだろうって位に気持ちよくて…。
「…………」
「…………」
だから…。
「…んふ…っ、ね…みゆちゃん、ちょっとだけお口…開けてくれる…?」
「う、うん…」
ただのキスから更にエスカレートさせた柚奈の要求も、躊躇うことなく素直に頷いてしまうわたし。
(ここまでしちゃうと、本当にヘンタイっぽいんだけど…)
それでも、わたしは求められるがままに閉じていた口を少しだけ開き、再び重ね合わせた唇から口内へ進入してくる、柚奈の生暖かくて柔らかい舌を受け入れていた。
「あふ…っ、ん…ぁ…っ」
「…はぁ、はぁ…んふぅ…っ」
それから、まるで餓えていた生き物が貪るかの様に互いの舌を絡め合わせ、くちゅくちゅとイヤらしい音を静まりかえった室内に小さく響かせながら、何とも言えない恍惚感に浸っていくわたし。
(キスって、こんなに気持いいものだったんだ…)
普段の触れ合うだけのキスでも、柔らかい唇の感触が気持ち良かったけど…これは精神的な部分を含めて、全く違った感覚だった。
…ここまで来るのに、柚奈と新しい一歩を進む為に決して小さくない勇気が必要だったけど、その先に待っていたのは、とろける様な快楽の味だったらしい。
「んん…っ、はぁ…っ、あん……っ」
「はぁ…っ、みゆ…ちゃん…っ、ん…っ」
「…ゆい…なぁ…ぷはぁ…っ、はぁ、はぁ…っ」
やがて、息が苦しくなった辺りで柚奈がようやく唇を一端離すと、口内で絡み合わせた互いの舌先から、混ざった唾液がねっとりと糸を引いていき、そのあまりにも淫靡な光景にわたしの胸は引くどころか、逆にどくんと強く高鳴ってしまう。
(女の子同士なのに、こんなコトまで…)
口に出したら何を今更って突っ込まれそうな反面で、確かにそんな意識も今のわたしには一種の媚薬となっているのは確かだった。
(しかも、今まで隙あらばHなコトしようと狙われ続けていた、どヘンタイのお嬢様に…)
「…………」
きゅん
(こらこらこらこら…)
…まずい。もしかしたらわたしって、Mっ気とかあったとか?
「んふっ、みゆちゃんのお口、柔らかくて気持ちよかったよ〜?…でも、お楽しみはまだまだこれからだから、ね…?」
そして、その変態お嬢様はフレンチキスの余韻で呆けたままのわたしにそう告げると、両手の指先をほっぺから首筋、鎖骨へとゆっくり這わせていく。
「あ……っ?!」
感触はあくまでソフトタッチなのに、所々でびくんっと強い刺激が不意打ちしてきて、小刻みに電気が走ったかの様に身体を震わせてしまうわたし。
「うふふふ…やっぱりみゆちゃんってばすっごく敏感…。こんなに可愛くて美味しい身体してるのに、1年以上もお預けが続いてたなんて、ホント罪作りだよぉ…」
すると、それを見て柚奈は本当に口惜しそうな顔を見せると、今度はブラで包まれた周囲をなぞる様に上下させてくる。
「…お、大きなお世話…ん…っ」
「でも、その分これから取り戻しちゃうから。みゆちゃんの感じる部分は、ゆっくりと時間をかけて全部見つけてあげるからね?」
「うう…っ、はぁぁ…っ、あ…っ、ぁぁ……っ?」
やがて胸元をなぞっていた柚奈の指先はお腹から脇腹へと移動し、時々停滞して円を描きながらも、更に腰元から太股、ふくらはぎの方へと下りていった。
「あは…みゆちゃんいい顔…感じてるみゆちゃんの顔、とっても綺麗だよ?」
「ば、ばかぁ…っ、ヘンなコト言わないでよ…っ」
だだでさえ身悶えしそうなのに、余計にくすぐったくなっちゃうじゃない…。
「ふふふ〜。だから、もっと見せてね…?」
そして柚奈はそう言うと、指先をふくらはぎの裏から足首へ移動させていく。
「あ…っ?!やぁっ、足の裏は……っ」
「…大丈夫。今度は擽ったりはしないから、暴れないで」
しかし、そこで思わず足を引いて逃げそうになるわたしを静止すると、柚奈は左の足首を両手で優しく添えたまま、親指の先へ口を付けてきた。
「ひ…んっ?な、何をするの…?」
「もちろん、愛情表現〜♪」
予想外の展開に戸惑うわたしなものの、柚奈の方は構わず短い言葉で締めると、親指から小指までの指先へと順番に舌を這わせてくる。
「あ…っ、ゆ、柚奈…別にそんな所…舐めなくても…んっ」
「んふ、気持ちいいでしょ?」
「気持ちいいっていうか、ムズムズしてヘンな感じ…」
確かに御奉仕してもらってる感じで、気分的には悪く無いかもしれないけど、やっぱり柚奈への罪悪感も高くて凄く複雑な感覚だった。
「これって、女の子を初めて落とす時の基本なんだよ〜?まぁ、みゆちゃんには私がいるんだから、覚える必要なんて無いけど」
「あん…っ、というかそんな技、誰に習ったのよ…?」
まさか、小百合さんが直々に娘へ仕込んでるとか?
…あー、いや。最近発想が不健康過ぎるか、最近のわたしは。
「な・い・しょ。…それに、指の間って神経が凄く敏感な所だから、これがなかなか美味しいスポットなんだよ?」
「あ…っ、ん…っ?!」
ともあれ、柚奈はそんなわたしのツッコミを軽く流してしまい、今度は指の間の付け根を丹念に舐め始めてくると、その度に背筋からぞくっとした刺激が走ってくる。
「ね…?悪くないでしょ?愛されてる〜って実感出来たりして」
「…自分で言わないの。もう…」
でも確かにくすぐったいんだけど、何だか頭がふわふわするこの感覚は、柚奈の献身さから来てるのかもしれない。
「それに、何だか心も落ち着いてこない?」
「あ…うん…言われてみたら…そうかも…」
というより、さっきのキスと合わせて「もう、どうにでもして」って気分になってくるというか。
(なるほど、初めて女の子を落とす時の基本、か…)
こうやって、身も心も裸にしていくのね。
…まぁ、別にいいけど。
「それじゃ、あまり焦らしてばかりでも生殺しだし、そろそろ本番に行っちゃおっかな」
やがて、ひと通り足のマッサージを終えた後で柚奈はそう告げると、再び指先を胸元までゆっくりと這う様に移動させていく。
「…………っ」
その指の目的地と、これから何をする気なのかはすぐに分かっただけに、あっという間に落ち着き効果も切れて、わたしの心臓がとくんと脈打ち始める。
むしろ、ああやって前フリをしっかりしてるだけに、何だか余計に…。
「あひ…っ?!や、やあん…っ」
「んふっ、みゆちゃんのちっちゃくて可愛い乳首ちゃん、ちょっと触っただけでくっきりと形が浮かび上がっちゃったよ?」
「ばかあっ、ヘンタイ…っ!」
案の定、柚奈の指先が僅かに胸の先へ触れただけで過剰反応してしまい、一瞬で身体が火照ってきてしまうわたし。
「ヘンタイ上等だよん。これからたっぷりと、そのヘンタイさんの指と舌で狂わせてあげちゃうから」
「…う〜〜っ…」
柚奈の奴、絶対わたしの被虐心に気付いてるし…。
「ね、ちょっとだけ身体を起こしてくれる?」
「…あ、うん…」
だから、わたしはまるで魔法にでもかかったかの様に、肩ひもを外した後で背中のホックを解放しようとする柚奈の促すがままに上半身を浮かせてしまう。
「…………」
やがて、柚奈は出来た隙間へ手を滑らせ、手早く背中のホックを外してしまうと、そのままゆっくりとわたしの身体から胸を覆うブラを取り去ってしまった。
「やっぱりみゆちゃんの胸、かわいい…ごくっ」
「…だから、喉を鳴らさないの。あと、あんまりジロジロ見ないでよ…」
「え〜?みゆちゃんのおっぱいがあまりにも美味しそうだから悪いんだよ。ほら、もう私…我慢できなくなって…」
そして最後まで言い終える前に柚奈はわたしの胸元へと顔を埋めると、むしゃぶりつく様に胸の先を転がし始めていく。
「ひ…っ?!だ、ダメ…いきなりそんな激しくしちゃ…あっ!」
「…大丈夫。痛くはしないから」
「そ、それだけじゃなくて…あひぃっ?!や…あ…ああ…っ」
突然襲いかかってきた強い刺激に手加減を請うものの、あっさりとスルーされてしまったばかりか、この変態お嬢様は更に空いたもう片方の胸の先端をこねくり始め、わたしの身体は断続的に電気を入れられたオモチャの様に痙攣させられてしまう。
「はぁ、はぁ…ぁぁっ!ゆ、ゆいな…らめ…んぁぁっっ」
「んふふ…みゆちゃんのちっちゃくてコリコリしてて…もう止まんないよ…」
「ひあ…っ!らめ…そんなのされたら…わたしぃ…っ!」
しかも、むしゃぶりつくなんて大雑把な表現でも、実際には強弱付けて全体を嘗め回した後で今度は舐め上げたり、舌で押し込んだと思えば更に軽く吸い付いたりと、色んなパターンをしかも緩急豊かに攻められて、頭が真っ白になる様な快感にわたしは為す術も無く、ただ柚奈の指と舌の動きに反応して喘ぎ続けさせられていた。
「はぁ、はぁ…っ、そんなにベロベロしちゃ…んひ…っ」
「ん〜?気持ちよくない…?ほ〜ら、こんなコトしちゃったりしたら…」
今度は、尖らせた舌の先端で乳頭の一番先の部分を、小さな円を描くように掻き回してくる柚奈。
「そ、そんな事ない…けど…あひぃぃっ?!んあ…ぁ…そんなの…やぁ…っ」
逆に気持ちよすぎて、おかしくなっちゃいそうというか…。
「…ね、指で弄るのと舌で舐め舐めされるの、どっちが気持ちいい?」
やがて柚奈は乳頭部を唾液でベトベトにした後、透明の糸を引きながら顔を上げてわたしにそんな事を尋ねると、同時に愛撫を休む事無く、鍵の字に曲げた指で左右同時にグリグリと刺激してくる。
「ひっ!そっ、そんなの…知らないわよぉ…っ、ああんっ」
「も〜、私はみゆちゃんが一番気持ちいいってやり方を探そうと色々試してるのに、何をやってもエッチな顔で喘ぎまくってるんだもん。恥ずかしがってる割にはホントにイヤらしいんだからぁ♪」
「うっ、うるさいわね…っ、勝手な事…ん…っ、言わないでよ…っ」
しかも台詞に反して、だらしなく口を歪めながら嬉しそうな顔してんじゃない。
「…まぁ、だったらどっちも癖になるまで仕込んじゃうまでだけどね〜。みゆちゃんがおっぱい弄ってもらいたくて一緒にお風呂に入りたがったり、学校でも我慢出来なくなっておねだりしてくる様になったりって位に…うふふふふ」
「やぁ…っ、それ困る…らめ…ぇっ」
「だって、今さっき好きなだけ私好みに仕込んじゃっていいって言ってくれたし〜」
「それ、拡大解釈入ってるっっ」
今夜は好きにしていいと言ったけど、調教していいとまでは言ってませんっ。
「え〜。でも、相手に弄ってもらう気持ちよさを覚えたら、もう忘れられないでしょ?」
「……う……っ」
「やっぱり、時々ぐらいはみゆちゃんの方からしてってお願いされたいしね〜むふっ♪」
そして柚奈はほっぺにキスすると、今度はさっきとは逆の胸の先を舌で弄り回してきた。
「はぁ…っ?!あ…っ、ら…めぇ…っ」
これ以上されたら、ホントに癖になっちゃいそうで…。
「そんなに甘い声で言われても説得力無いよぉ〜?…だけど、これじゃ右と左のどっちが感じる?とか聞くだけ愚問みたいだねぇ?ほらほら、もっといい声聞かせて?」
「んあっ?!いっ、いちいちうるさ…ああん…っ」
でも、悔しいけど…やっぱり凄く感じちゃって…。
癖になるのは怖いけど、でも確かに柚奈の言う通り、胸の先からじんじんと響いてくるこの刺激は一度覚えたら忘れられそうになくて…。
「あ…ああ…っ!なんか…怖いよ…こんなの…ぉ…っ」
そしてわたしがお願いすれば、こうやって満足するまで気持ちよくして貰えるなら、癪だけど少し位なら素直になってもいいかとか思い始めたりもして…。
(…う〜っ、堕ちていく感覚って、こういうのを言うのかしら…?)
だけど、わたしが素直にお願いしても、きっと柚奈はワザとらしく焦らしたりして、もっとHな言葉とかでおねだりさせられたり、恥ずかしい要求をしてきたり…。
じゅん
(あう…ダメだ、わたし…)
どうして、想像したら寒気が走るんじゃなくて、お腹の方が熱くなっちゃうのよ…。
心とは裏腹に、身体はどんどん柚奈の愛撫を求め始めていて、そのギャップがどうしようもなく切ない気分にさせられたりして。
「別に怖がることなんでないのに…本来、気持ちよくなるように出来ているものなんだから。その相手が、どうしてもイヤって人じゃなければね?」
「はぁ…ぁっ、あ…っ、そうかもしれない…んあっ、けど…」
確かに相手が柚奈じゃなかったら、ここまで乱れてなんかいない…とは思う。
逆に言えば、それ故に怖かったりもするんだけど。
「まぁそんな戸惑いも、すぐにどうでも良くなって…ううん、私がさせちゃうか・ら♪」
ともあれ、柚奈はわたしにお構いなしでそう続けると、胸を弄る手を止めないまま、空いた手をお腹から下腹部の方へとゆっくり這わせていく。
「あ……っ」
「…んふ、やっぱり恥ずかしい?」
その手の行き先に気付いて、わたしは思わず腰をよじらせてしまうと、一旦目的地を通り過ぎた後で太股の方を擽る様に撫で回しながら、ニヤリとした目を向けて尋ねてくる柚奈。
「う〜っ、当たり前のコト聞かないでよ…」
何せ本能レベルで羞恥心が刷り込まれてる、女の子の一番秘密の場所ですから。
「もうお風呂で、みゆちゃんのバージンまで確認したのに〜?」
「そ、それだけじゃなくってね…」
更に、今はお風呂の時と違い、もう1つ上乗せされる理由もあったりして。
「でも、私がもう我慢できないから触っちゃう♪」
「や、やぁん…っ?!」
しかし柚奈はこちらの事情無視で一方的にそう告げるや否や、太股を弄ってた指先を移動させ、ショーツ越しに秘所を包んでる部分へ軽くめり込ませると、わたしの身体に電気が走った様な刺激に加えて、濡れた生地が張り付く感触がフィードバックされていく。
勿論、これはお漏らしなんかじゃなくて…。
「うわぁ、すごい…もうこんなに…」
すると、わたしが一番恥ずかしがっていた要因に気付いた柚奈は驚いた様な顔を見せながら、染みになってる部分を指でこねくり回してくる。
「〜〜〜〜っ!」
「うふふふ…おっぱいとかたくさん弄られてこんなになっちゃったんだ?顔を真っ赤にして恥ずかしがっても、身体は正直だよね〜?」
それからしばらく弄り回した後で、ショーツの薄い生地越しに分泌された粘液を指で掬い上げると、指を開いて糸を引かせながら、目を反らせようとしているわたしの目の前へ見せつける柚奈。
「ば、ばか…っ、いじわる…っ」
「んふ♪お風呂の時からちょっとだけヌルヌルして来てたけど、もう下着の上からでもはっきり分かる位にぐっしょり…」
そして柚奈はうっとりとした顔を浮かべながら呟き、わたしの味を確かめる様に自分の指へ舌をイヤらしく這わせて舐め上げていく。
「う〜〜っ、この変態お嬢様…っ」
「ん〜?変態さんはまだ触ってもなかったのに、下着をぐしょぐしょにしちゃってるみゆちゃんの方じゃないのかな〜?」
「うう…ぐす…っ」
「あは、うそうそ♪…これは、ある意味みゆちゃんの愛のバロメーターだもんね。こんなにしちゃう程私の事を好きでいてくれてるって事だし、凄く嬉しいよ」
ワンパターンの捨て台詞に対して返ってきた弁解不能の言葉責めに、思わずべそをかき始めてしまうわたしだったものの、柚奈はすぐに意地悪な目つきから天使の笑みへと表情を戻すと、再び唇を重ね合わせてくる。
「ん……っ、も、もう、ちゃんと責任は取りなさいよ…?」
「勿論だよ〜。ちゃんと私が責任をとって綺麗に全部舐め取ってあげる♪」
それから、わたしの台詞を完璧に曲解して再び満面の笑みを浮かべるや否や、手早くショーツの端に手をかける柚奈。
「ち…っ、そうじゃなくって…っ?!」
「まぁまぁ、いいからいいから♪」
しかしもう柚奈の手が止まる事はなく、あっという間にわたしが身に付けていた最後の1枚も引きずり下ろされてしまった。
「あう……っ」
「ごめんね〜。せっかくお気に入りのショーツなのに、こんなにしちゃって」
「変な謝り方しないでよ…もう…っ」
「大丈夫だよ〜。後で私が愛情を込めて手洗いしてあげるからね?ちょっと頬ずりとかしちゃうかもしれないけど」
そしてその後、剥ぎ取ったわたしのショーツを手に、本当に頬ずりし始める変態お嬢様。
「ああもう、自分で洗うからお構いなく…っ」
…というか、何処からどう見ても他の人が見たら引くだろうに、何故か恥ずかしいだけじゃなくて、ちょっとだけ嬉しい気持も感じてる今のわたしがいたりして。
(愛されてる実感かぁ…)
柚奈から恥ずかしいコトされればされる程に受け止められるなら、そんなに悪くない…かな?
「…おっと、今はこうしてる場合じゃなかったんだよね。みゆちゃんのぐっしょりと濡れた花弁をじっくり観察…もとい、綺麗にしてあげないと」
しかし、それからすぐに柚奈は本来の目的を思い出したとばかりに下着を置くと、警戒もせずにぼんやりと見ていたわたしの太股をぐいっと一気に持ち上げ、一番恥ずかしい部分を自分の目の前へ露わにしてしまった。
「ち、ちょ…っ、こんなカッコ…っ?!」
前言撤回っ。いくら好きだからって、これは流石に恥ずかしすぎっっ。
「んふっ♪可愛いワレメちゃんだけじゃなくて、みゆちゃんのお尻の穴まで丸見えだよ〜?こっちも後でたっぷりと舐め舐めしてあげるからね?」
そしてわたしの両股をがっちりと固定したまま、この変態お嬢様はワザとイヤらしい口調でそう告げた後で、ふうっとお尻の方へ息を吹きかけてくる。
「ひ…っ?!だ、ダメ…明るい所でこんなカッコ…」
「明るい所だから、改めてじっくりと見たいんじゃない〜♪うふふふふ…やっぱりみゆちゃんのって、ツルツルで綺麗…しかもこの、今まで誰にも汚されてない無垢さが…はぁはぁ…」
「も、もうっ、ツルツルはあんたもじゃないのよぉ…」
「いやいや、やっぱりこういうのは人のを見るから感動するんだもん。うわぁ…中はみゆちゃんのお汁でヌメヌメと糸を引いたりして、すっごくえっち…うわぁ…っ」
それから更に、好きにしていいと言った言葉通りに全く遠慮する事なく、指でわたしの秘所を拡げながら感嘆の声をあげる柚奈。
「ば、ばかっ!蹴るわよっっ」
ワザと大袈裟に言ってるのか、それとも無意識に出てるのかき分からないものの、わたしにしてみれば「それ、なんて羞恥プレイ?」以外の何物でも無かったりして。
「んふ♪お風呂で見た時から、ちっちゃくて綺麗って見とれちゃったけど…すごい…それがHなお汁でヌルヌルになった今は、見てるだけでドキドキしてヘンな気分になってきちゃう…」
「うう…っ、もう充分なってるじゃない…というか、いちいち口に出さないでよぉ…」
「でも、みゆちゃんってすぐ自分を卑下しちゃうじゃない?…だから、ちゃんと言葉にしないと伝わらないかなって。ホントは何時でも食べちゃいたくなるぐらい可愛いのに。ほら、この皮が剥けてないクリちゃんとか…」
しかし、そこで半分泣きを入れながら反論するわたしに、今度は一転して真面目な口調で諭してくる柚奈。
「んあ…っ?!だ、だからって、そんなトコロまで褒めちぎってくれなくても…」
ついでに、人の股間に顔を埋めてクリトリスの辺りをつんつんと弄りながら言われても…ってもあるんだけど…。
(でも、こんな時に心に響く殺し文句なんて、タイミングがずる過ぎ…)
だって…。
「んふ♪褒めずにはいられない位に可愛くて綺麗なんだから仕方が無いじゃない〜?私の為に初めてまで取っておいてくれたんだし」
「ね、柚奈…やっぱり、今すぐにでも奪っちゃいたいとか思ってる?」
こういう時に、いつもみたいに「勝手な妄想すんな」ってツッコミじゃなくて、やぶ蛇直行のらしくない台詞が出てしまうから…。
「ん〜。確かにいつ頂いちゃおうかな〜と思う反面で、こんなに綺麗なつぼみを敢えてこじ開けてしまう事も無いかなぁ…とも思ってたりして」
すると、そんなわたしの自爆質問に、指で入り口のクレパスを愛おしそうになぞりながら、曖昧な答えを返してくる柚奈。
「…………」
「ね、参考までに聞くけど、みゆちゃん的にはどっちがいい?」
「…ゆ、柚奈の好きにしなさいよ。ど、どうせあんたのモノなんだし…っ」
しかし、わたしにしてみれば、そう答えるのが精一杯だった。
ただ、もうお互い慌てて”証明”を刻みつけたりする必要はないって事なんだろうけどね。
「ありがと。だからまずは私の欲求の赴くままに、みゆちゃんの蜜の味を…もとい、舌でたっぷりと綺麗にしてあげるね?」
すると、柚奈は嬉しそうにそう告げると、今まで軽く弄っていた指を離して、ゆっくりとわたしのクレパスへと舌先を這わせてきた。
「ちょっ、それ日本語としておかし…ん…っ?!はぁ…ぁぁ…ぁ…っ?!」
その生暖かくも柔らかい舌先が触れた瞬間、わたしの下腹部から背筋を通って、言葉にはしがたいぞくっとした刺激が走っていく。
「や…やぁ…っ、あ…っ、なにこれ…?やぁぁぁ…っ」
(わたし…とうとう柚奈に…舐められてるぅ…っ)
胸を舐め回していた時の様に、柚奈のヌメヌメとした舌は生き物の様に這いまわったり、舐め上げながら往復したり、そして時にはイヤらしい音立てながら吸い付いたり…。
「んふ、気持ちいい…?」
「はぁ、はぁ…っ、なんだかジンジンして…胸も苦しくて…ヘンだよぉ…っ」
指で弄られてる時とは触れられた感覚の違いというか、”弄られてる”のと舌で”舐められてる”違いは精神的に凄く大きくて、多分それがわたしの胸を圧迫させてるんだろうけど…。
「…ほらほら、まだまだこれからだよ〜?ちゃんと中も綺麗にしてあげるから…」
しかし柚奈は愛撫の手を休めず、今度は舌をわたしの秘所の中へとゆっくり差し込むと、狭い中を忙しなく掻き回してくる。
「はひ…っ、うぁぁ…あ…っ!なっ、中は…ひぃぃ…っ」
「うふふ〜。ちゃんと綺麗にしないとね。こういうトコロとかも…」
「あひっ?!ひ…っ、ゆ、柚奈…ぁっ!」
そんな…おしっこの穴まで舌先を差し込んで…。
「だ、ダメ…そこは…汚いよ…ぉ…っ」
「そんなコト無いよ〜?みゆちゃんに汚い部分なんて無いし、みゆちゃんが分泌したものなら、なんだって美味しいから」
「ば、ばかぁっ、ヘンタイ…っ!」
「でも、みゆちゃんはそんなヘンタイさんを受け入れてくれたじゃない?今までいっぱいちゅーさせてくれたし、恥ずかしいトコロも全部見せてくれて」
「あ…う…っ、た、確かにそうだけど…んっ?!」
「…だ・か・ら、私はみゆちゃんにヘンタイさんだーって言われても、自分のやり方で御奉仕してあげるだけ。んふっ♪」
そして柚奈はそう締めくくると、何の躊躇いもなくわたしの奥深くまで差し込んだ舌を這い回していった。
「はぁぁぁ…っ!あ…あああ…っ!」
はしたなく喘ぐ声も、胸のドキドキも止まらない。
わたしは両股を拡げてはしたなく秘所を晒け出し、そして柚奈の視線や舌が奥まで侵食しながら全ての部分へ触れて来て…。
「ふぁぁぁぁっ!ゆ、柚奈ぁ…あ……っ、はぁぁぁ…っ」
「んふ…っ、ね、みゆちゃん気持ちいいの…?」
やがて、潜り込んでいた舌が戻ってくると、再び表面をソフトゆっくりと舐め上げながら、まるでおねだりでもする様に尋ねてくる柚奈。
「はぁ、はぁ…っ、こんな時に…いじわるぅ…っ」
また恥ずかしいコトでも言わせるつもりらしい。
らしいけど…。
「いじわるじゃないも〜ん。それに、きっとみゆちゃんにも変化があると思うよ?」
「そ、そうかな…?」
「私の保証付きだよん♪今までよりもっと感じちゃう様になるんだから」
「…………」
「…う、うん。き、気持ちいい…よ…柚奈にいっぱいしてもらって…」
既に、今までの様に虚勢を張ったり抵抗する気力はすっかりと抜けていたわたしは、躊躇いがちに柚奈の求めるがまま頷いてしまう。
「むふ…っ、それじゃ、もっとして欲しい…?」
「う、うん…もっと気持ちよく…して…柚奈ぁ…っ」
「んふふ、しょうがないなぁ…みゆちゃんがそこまで言うなら…」
すると、満足げな笑みを浮かべた後で、柚奈は舌先をクレパスの付け根にある部分へと移動させると、今度はクリトリスを包んだ包皮を剥こうとねじ込んできた。
「あ…はぁぁぁぁっ?!」
…それは、痺れる様な快感。心も完全に裸になった所で一番敏感な部分を攻められ、わたしの視界と意識は一瞬真っ白になってしまう。
「うふふふ…普段皮をかむってるから…すっごく感じちゃうでしょ?」
「あ…うああ…っ、そ、そこ…らめ…ひぁぁぁぁ…っ?!」
そこで、未知の慣れない強烈な刺激が怖くなったわたしは、柚奈の頭を押さえて一旦止めさせようとするものの…。
「ダメダメ言ってたら先へ進めないって前にも言ったよね?…ほら、一緒にこっちも弄ってあげる」
しかし、柚奈の方は構わず続ける上に、今度は更に腕を伸ばして敏感な先端部分を探り当て、つま先を使って同時に優しく擦ってくる。
「ひっ?!ら、らめ…そんな…同時なんて…んひっ?!ふぁ…あ…あああ…っ」
「最初はちょっとキツいかもしれないけど、慣れてきた頃はとっても気持ちよくなるんだから♪」
「そ、そんなコト言われても…わたし…ぃ…っ」
「んふ…っ、ほらほら…こういうのはどう…?ん…っ」
「あひぃ…っ?!やぁ…っ、ゆ、ゆいな…ぁ…っ!」
それから柚奈が包皮へ吸い付いた所で、わたしの意識の中で何かが昇りつめて行く様な感覚が急速に高まっていき…。
「はぁ、はぁぁ…っ、ふぁぁぁぁぁぁぁ…っ?!」
やがて、柚奈の舌先が剥き出しの肉芽に触れた瞬間、わたしはびくんっと身体を大きく仰け反らせながら昇りつめてしまった。
「…ん…っ、はぁ、はぁ、はぁ…っ」
「あ、あやや…みゆちゃん、もういっちゃったの…?」
「はぁ、はぁ…っ、だ、だって…」
さすがに一番敏感な部分への直接攻撃に加えて胸まで同時に弄られたのは強烈だったのと、今までたっぷりと色んな伏線を張られていた分だけ、波が来た後はあっという間だったりして。
(…はぁ、これで完全に落とされちゃったわね…)
まぁ、別にいいけど。
すごく恥ずかしかったけど…確かに自分でした時なんかより、全然気持ちよかったし。
「うふ♪まぁ、別に何度でも絶頂しちゃってくれていいんだけどね〜。いくらでも付き合っちゃうし」
「へ…?ち、ちょっとゆい…あひぃっ?!」
しかし、ここで一段落の余韻に浸りながら口付けでも交わすのかと思いきや、柚奈はそう告げた後で、またすぐにわたしの身体へ覆い被さり、未だに固くなったままの胸を舌で転がしながら、クリトリスへの愛撫を再開させていった。
「や、やぁ…っ、んっ、ちょっと待って…あう…っ」
「だぁ〜め。1回ぐらいじゃ満足できないでしょ〜?まだまだこれからだよ」
「んっ!だ、だけど…いっちゃったばかりだから…そこは辛いの…っ」
何て言うか、敏感になりすぎてるというか、気持ちいいって感覚を超えてかなりキツかったりして。
「…ん〜っ、そこを敢えてもう一度いっちゃう位まで弄り倒してもいいんだけど…まぁいっか。今日はもっと時間をかけてじっくり攻めたいしね…むふっ♪」
すると、わたしの懇願を受けてなんとか止めてくれるものの、それでも何やら別の事を企んでる様なニヤリとした笑みを浮かべてみせる柚奈。
「え、えっと…また何かするの…?」
「んふ♪それじゃみゆちゃん、今度はよつんばいになってみてくれるかな?」
そこで、わたしが大きな不安と仄かな期待を胸に恐る恐る尋ねると、柚奈は満面の笑みを浮かべながら、とんでもない事を要求してきた。
「んな…っ?!よ、よつんばいって…」
「それで…お尻の中まで見える様に、しっかり突き出して見せてね」
「え、ええ…っ、そ、そんな…っていうか、もしかして…」
いや…もしかしなくても、そんな格好をしてみせろって言われる目的は1つしか無く…。
「ふふ…今度はみゆちゃんのお尻をたっぷりと可愛がってあげる♪」
「あ、あう…っ、で、でも…」
「さっき、私の好きにしていいって約束してくれたじゃない?これは了承じゃなくて、私がやりたい事をみゆちゃんに要求してるの…とか言ってみたりして」
「う〜っ…悪党…」
でも、確かに好きな様にわたしの全てを奪っていいと言った以上は、柚奈にそう言われてしまえば逆らえない。
わたしは躊躇いがちに身体を起こすと、求められるがまま柚奈の眼前へお尻を向ける形で四つん這いになっていった。
(いくら好きな人の前だからって、こんな格好なんて…)
さっきも太股を持ち上げられ、丸見えにされて相当恥ずかしかったけど、こっちはこっちでまるで自分から一番恥ずかしい所を見て欲しいとせがんでるみたいで、相手の顔が見えない不安感も相まり、わたしは羞恥で身体が火照ってくるのを感じていた。
(というか…あそこよりも、お尻の方が丸見えなんだよね…これ…)
ううっ、お母さんごめんなさい…って謝っておいた方がいいのかな?
「ふふ…みゆちゃんったから足が震えてるよ?大丈夫、優しくするからリラックスして?」
「ひゃうん…っ!」
そして、そんな台詞と共に柚奈の2本の指がお尻の表面を滑り落ちると、背中を大きく仰け反らせて反応してしまうわたし。
自分でも驚く位の過剰反応だけど…もしかしてわたし…期待してる…?
「あは、やっぱりみゆちゃんはお尻も敏感だね。ほらほら、もっとねだる様にお尻をふりふりしながら突き上げてみてくれるかな?」
「…………っ」
(あ、後で覚えてなさいよ…っ!)
…と言っても、この状況だと従うしかないし、仕返しできた試しも無いけど。
「わぁ…改めて見ると、こっちもツルツルでちっちゃくって…色もすっごく綺麗…。今まで誰の目にも触れられてないってのも、ちょっと勿体ないよね?」
すると、おそらく手で開かなくてもしっかりと丸見えになったわたしのお尻の穴を間近でジロジロと観察し始めたかと思うと、やがて唾液で濡れた指先を入り口へつんっと当ててくる柚奈。
「ひゃんっ?!あ、あんた以外は誰も見たがらないでしょ、そんなトコ…っ」
「そーかな?聞いて回ってみる?」
「ば、ばかっ、ヘンタイっ!」
例えば、茜とかが見たいと言えば見せる気ですか、あんたはっ。
「はぁ…なんだろう…この私だけがみゆちゃんを独占したい、私以外の誰にも見せたくない一方で、みんなに見せびらして自慢して回りたいって願望も同居してる複雑な気持ちは…」
「こらこらこら…っ、それって絶対アブない考えだから…っ」
「うふふふ…でもみゆちゃんがいけないんだよ?何から何まで可愛い過ぎて私を狂わせるから…」
しかし、柚奈はわたしのツッコミを無視して理不尽な方向で自己正当化してまうと、両手でお尻の双丘をゆっくりと押し拡げてくる。
「えっと…その…ほ、本当にそんなトコロまで舐めるの?」
「もっちろん。お風呂の時から予告してたし、綺麗に洗ってたじゃない?」
「だ、だけど…いくらなんでも…」
「私、言ったよね?みゆちゃんの全てをこの指と舌で触れてみたいって…それに何より、私の愛を一番アピール出来る場所だから。みゆちゃんの為なら、こんなコトも平気で出来ちゃうんですよ…って」
それでもなお戸惑うわたしに柚奈はそう続けるが早いか、柔らかい舌先が窄まった敏感な入り口へ、ぬるりとした感触と共に触れてきた。
「ば、ばかっっ、余計に恥ずかしくな……んひっ?!」
胸や秘所とはちょっと感覚が違うけど、やっぱり触れられた瞬間は電気が走った様な鋭い刺激が走り、再びわたしの身体は大きく仰け反ってしまう。
「や…ああ…っ、そんな…らめぇ…っ!」
(…柚奈がホントにわたしの…舐めてる…っ)
しかも、柚奈の舌使いは恐る恐る触れるとかじゃなくて、何の躊躇いもなく大胆に舌を這わせ、しわの感触を確かめる様に周囲を舐め上げてきていた。
いくら好きな人のだからって、綺麗に洗ったお風呂上りだからって、それでも一番口を付けるには抵抗がある場所なのに…。
「ひ…っ?!んあ…っ!ら、らめ…はぁぁ…っ?!」
そしてその度に、わたしの身体はピクンピクンと小さく震えながら反応してしまい、全身の力が抜ける様な心地になっていく。
「んふふ…舐めるたびにお尻が震えて…やっぱりみゆちゃんお尻も感じるんだ?」
「そ、そんな…そんなコト…んあ…っ!」
(でも…やだ、これ…ホントに気持ちいい…っ)
最初は飛び上がる程にくすぐったかったものの、でもヌメヌメとした柔らかい舌で刺激されるうちに、次第に頭の中がとろけてしまいそうな快感に変わっていって…。
(うう…っ、もしかしてわたしも、ヘンタイさんだった…?)
「口では強がっても、みゆちゃんったらひくひくと物欲しそうに震わせてるよ〜?んふ、今度は舌入れちゃおっか?」
それからやがて、入り口を舐め回していた柚奈の舌先が、ゆっくりとこじ開けて奥へ入り込もうとしてくる。
「ふあ…っ?!だめ…そんなコトまでしちゃ…らめぇ…っ」
指とかと違って強い異物感とか痛みとかは無く、むしろ入り口から少し入った辺りの一番敏感な部分を何度も往復されて、目の前が真っ白になる位に気持ちいいんだけど…それでも心理的には強い罪悪感がわたしを切なくさせていた。
それと同時に、言葉だけじゃなくて本当に躊躇い無くここまでしてくる柚奈の愛情を実感させられて胸が締め付けられてるというか…。
(柚奈…あんたはホントに…)
「あは…ここまでしちゃうと、自分でも変態さん入ってるな〜とか思っちゃうけど…でも、みゆちゃんも気持ち良さそうだからいいよね?」
「ん…っ!ば…ばかぁ…っ!はぁ…っ」
「ばかでいいも〜ん…私、今すっごく幸せだから…」
「もう、ずるいよ…こんな時にそんなコト言われたら…」
「んふ♪…もっと感じちゃう?」
「あ…やあっ!そ、それは否定しないけど…っ」
今となっては、一途で献身的な柚奈の為にも必要以上に強がる気は無いものの、しかしもう1つ別の問題があった。
「けど、なぁに…?」
「このままだと…ダメぇ…っ、こっちも…癖になっちゃう…っ」
胸なら百歩譲ってともかく、お尻なんていくらなんでも乙女として恥ずかし過ぎるというか…。
「別に私は構わないよ〜?学校の休憩時間とかにトイレで舐めてって言うなら、喜んでしちゃうから」
「はぁ…ぁ…っ、わ、わたしが構うのよ…っ」
というか、そんな変態要求なんて出来ますかっ。
「もう…別に遠慮なんてしなくていいのに…」
すると、わたしの反応に何だか凄く残念そうな声で呟く柚奈。
「ん…っ!それとこれとは、別問題だってば…っ」
…いや、一応分かってはいるんだけどね。
別に実はドMとか、汚れ好きとかそういう特種な性癖とかじゃなくて、そうやって他の人は決してやらない様な愛情表現で愛して愛されてる事を実感したいってのは。
「むぅ〜っ、まぁいっか。そういうのも含めて、これから仕込んじゃうし♪」
だからと言って、何処まで付き合ってやれるかってのは考え所ではあるんだけど…。
「ひ…っ?!やぁ…っ、そんなに激しく…掻き回しちゃ…やぁぁんっ」
しかし、すぐに気持ちを切り替えた柚奈の激しい掻き回し攻撃に、ただ息を荒くするだけで何も考えられなくなってしまうわたし。
(…結局、ここぞって時の力押しに負けて、とことん付き合う羽目になるのかも…)
というか、こうやって肌を重ねるのは初めてなのに、まるでわたしの身体を知り尽くしてるかの如く柚奈の腕の中で喘がされっぱなしだし、元々わたしに勝ち目は無いのかもしれないけど。
「はぁ…はぁ…っ、もう…許して…はぁ…っ」
「うふふふふ、まだまだこれからだよぉ。さて、こっちもそろそろ大丈夫かなぁ…?」
そして柚奈の攻めの手は休まる事も無く、やがてお尻を舐める傍らで、クリトリスの方も指で弄り始めてくる。
「あひ…っ?!ら、らめぇ…また同時なんて…ぇ…っ」
「ほ〜ら、またお尻を舐め舐めされてぐっしょり濡れてるよ?よっぽど気に入ってくれたみたいだね」
「あ…う…っ、そんなコト言わないでぇ…っ」
「ううん…私の前だけでは、素直になってくれていいんだよ。…ほら、また私が全部舐め取ってあげるから、もっと溢れさせて…?」
「はぁ…あ…っ、柚奈…ぁ…っ」
もしかして、このままずっとループしていくのかな…と思ったものの、それとは裏腹に止まらない柚奈のお尻攻めを受けて、次第にわたしは再び上り詰めようとしていた。
「あ…っ、やぁ…っ、わたし…また…きちゃう…っ?!」
「あは、今度はお尻でいかせて欲しいんだね…?いいよ〜」
すると、身体を震わせるわたしにそう告げた後で、つぷっと舌先を差し込んでくる柚奈。
「はぁぁ…っ?!やぁ…ら、らめぇ…っ」
(あう…っ、お尻で…柚奈にお尻の穴…舐められながら…わたし…っ)
しかし、一度来た波は止められるハズも無く、いつしか絶頂間際になったわたしは無意識にぐいぐいと柚奈の口元へお尻を押し付け…。
「ひ…っ、いく…わ、わたし…もう…ふぁぁぁぁぁぁ…っ?!」
…そして、程なくして本当に登りつめてしまった。
「はぁ…はぁ、はぁ…っ」
よりによって、2回目はこんな形で果てさせられてしまうなんて…。
でも…。
「んふ。とうとうお尻でいっちゃったね〜。やっぱり癖になっちゃいそう?」
「…ホントにそうなっちゃったら、責任とってもらうからね…」
たまには要求してもいいかな…とか思ってしまってるわたしだった。
「大丈夫〜♪たとえ授業中でも抜け出して満足させちゃうから〜♪」
「だーかーらぁ、なんで学校内での話になるのよ…」
それと…。
「ね、それじゃ次はどうして欲しい…?今度はみゆちゃんの望み通りにしてあげる」
「…だったら、今度はわたしが柚奈にしてあげる」
その後、満足そうな顔で第3ラウンドを切り出して来る柚奈に、ややぶっきらぼうな態度で答えてやるわたし。
「え……?」
「柚奈だって、わたしにしたのと同じ様なコトをして欲しいんでしょ?」
「い、いいの…?」
「うん…何だか今は、凄くそんな気分だから…」
ずっと攻められっぱなしだと身が保たないのもあるけど、絶頂を迎えるたびに柚奈の事が何だか無性に愛しくなって来てるだけに、そろそろして欲しい気持ちから、柚奈も気持ちよくしてあげたい気持ちの方が強くなってきていた。
「みゆちゃん…」
「…もう、わたしだって一方的なのはイヤだよ。だから…ほら、柚奈も全部脱いで」
すると、予想外だったのか、驚きと困惑の混じった様な顔を見せて呟く柚奈にわたしは苦笑いを浮かべると、少しだけ離れて準備を促す。
(なんていうか…本当にお互いおねだりがヘタだよね…)
このまま黙ってたら、柚奈はわたしだけを満足させて終わるつもりだったんだろうか。
まぁ、それでも柚奈は幸せな時間だったと笑うのかもしれないけど。
「うん…みゆちゃんありがとう…」
ともあれ、わたしの台詞に柚奈はこくりと頷くと、目の前でゆっくりと下着を外し始めていく。
(ん〜っ、やっぱりいくら可愛い、可愛いって言われても、この女神様みたいなボディを見た後だと複雑な気分になっちゃうよね…)
ただ、柚奈の場合はわたしとベクトルそのものが違うし、そもそも比べる意味自体が既に無いので、素直にわたしのモノって事で喜んでおけばいいんだろうけど。
「…ね。ほら、見て…みゆちゃんを弄り回してるうちに、私もこんなに…」
やがて、柚奈に促されて視線を向けた脱ぎたてのショーツの股間部分からは、トロリと透明の粘液が糸を引いている事に気付くわたし。
「柚奈…もう、人の事なんて言えなかったんじゃないのよ…」
「そうみたい…ね、みゆちゃん…私のも触ってくれる…?」
それから自分の下着を畳んで置いた後で、わたしの顔の上へ跨る態勢で自分の秘所を間近へ持ってくると、遠慮がちにお願いしてくる柚奈。
わたしと同じツルツルで、美しいクレパスのラインが形成された柚奈の花弁は、期待しているのか今でもじわりと蜜が滲み出ていた。
「う、うん…それじゃ、失礼して…」
そして、わたしは導かれるがままに指先を伸ばし、そっと入り口の辺りへ触れると、ヌルヌルとしながらも温かい感触がわたしの手に伝わってくる。
「ん…あ…っ?!」
「え、えっと…痛かった?」
「う、ううん…みゆちゃんに触れられて敏感になってるだけだから…ね、開いたり…指とか入れてみて…?」
同時に、ぴくんと身体を震わせて反応する柚奈に慌てるわたしなものの、柚奈が恥ずかしそうに続けて促すのを聞いて、今度は指を少しだけ挿入してみる。
「はぁ……っ?!あ…っ」
「…………っ」
(うわ、凄くあったかい…)
それに、中は狭くてヌルヌルしてて…。
「ん…っ?!あ…っ、みゆちゃん…はぁぁ…っ」
わたしが中で指を少し動かすたびに、柔らかくて温かい肉壁が奥から分泌される愛液で潤滑させながら、きゅっと締めつけてきていた。
(…指だけでも、こんなに…)
何だかこの感触を味わえるのがわたしだけってのが勿体無い気もするけど、まぁそこはざまーみろって事で。
「ああ…っ、みゆちゃん…っ」
「ね、わたしも柚奈の開いてみて、いい…?」
「うん…みゆちゃん…見て…」
そこで、自分がされていた時と同じく秘所の奥まで覗いてみたくなったわたしはそう尋ねると、柚奈は顔を赤らめながらこくりと頷いてくる。
(…なんだかなぁ…)
攻めてる時はあんなに生き生きとイヤらしい顔を浮かべてた癖に、自分がされる番になった時にはすっかりとしおらしくなってしまってるギャップに何だか吹き出しかけるものの、ともあれ両手でゆっくりと柚奈の花弁を拡げていくわたし。
「あ…っ?!ああ…っ、見られてる…みゆちゃんに…」
「…うわ…っ、柚奈のもすっかりネトネトじゃない…」
先に指を入れたので予想はしていたものの、柚奈の秘所の奥は軽く掻き回すだけでクチュクチュと音がしそうな程に粘液で満たされていて…。
「あは…みゆちゃんの気持ちよさそうな顔とか喘ぎとか聞いてるだけでこんなになっちゃったから…」
(…でも、すっごく綺麗…)
それでいて、自分のをじっくり見た事がある訳じゃないので比較は出来ないけど、綺麗な薄いピンク色の中は、正に花弁と表現するに相応しいものでもあって。
(あ、舐め回してみたいって柚奈の気持ち、なんか分かったかも…)
「う、うん…それじゃ、わたしも柚奈の…綺麗にしてあげる…」
そして、わたしは引き込まれる様に柚奈の秘所へ口元を宛がい、ゆっくりと舌を這わせていく。
「はぁぁ…っ!みゆちゃんの舌が…私の…舐めてる…っ!」
自分のも含めて、女の子の粘液を舐めるのはこれが始めてだけど、変わった味だった。
さっき柚奈がわたしのを舐めてた時に言ってた「おいしい」って表現はどうにも出てこないというか、単体だとそんなに味わいたいと思う類のものではないと思う。
「…ん…っ、もう…どんどん溢れてるよ…」
「んぁぁ…っ!だって…みゆちゃんにこんなコトしてもらえるなんて夢みたいだから…あっ」
「もう、そんな大袈裟な話にしないでよ…お馬鹿なんだから…」
でも、今わたしは柚奈の一番敏感な所を…あの子の言葉で言うなら、最大限の愛情表現をしていて、更に舌を動かすたびに身体を震わせながら甘い声をあげている。
だからそれが嬉しくて、もっと気持ちよくしてあげたくて、わたしは口元をベタベタにしながら一心不乱に秘所を舐め続けていた。
「あ…あああ…っ、みゆちゃん…そこ…んくっ!」
「ここ…?ここがいいの…?」
「う、うん…っ、でも…みゆちゃんになら何処を攻められても…はぁ…っ」
(あのね…)
してあげてる方としては、そういう反応が一番困る…と言いたいものの、確かに柚奈にとっては何処をどういう風に攻めて欲しいのかとか、そういうのは問題じゃないのかもしれない。
「ん…っ、みゆちゃん…気持ちいいよぉ…それに…私…幸せぇ…っ」
「柚奈…わたしも何だか…」
(…なるほど、そういう事なんだ…)
道具とかを使う事を邪道とばっさりと斬り捨てたり、お尻の穴の方まで舐めたがった理由が、今なら分かる気がする。
「はぁ、はぁ…っ、みゆちゃ…ああ…っ」
「凄い溢れてきてるけど…まだ、もっと気持ちよくしてあげる」
やがて、もっと柚奈が快感に震える声が聞きたくなったわたしは、舌先をクレパスの先にある一番敏感な部分へと移動させていく。
…というか、気付けばこういうコトが葛藤なしで出来る様になってるのはちょっと苦笑いなものの、これも愛の魔力って奴なんだろうね。
「あ…っ、みゆちゃん…そこは…ぁ…っ」
「さっき、わたしが散々弄り回されてひぃひぃ言わされてた所よね。だから、お返ししちゃうの」
ちなみに、同じツルツルでもわたしよりはちょっとだけ大人なのか、付け根の部分を指で軽く広げると、中の薄いピンク色の可愛い芽があっさりと顔を出してきてしまった。
「やぁん…っ、ちょっと恥ずかしいかも…」
「その割には嬉しそうじゃない?ひくひくと震わせちゃったりして」
少なくとも、嫌がっての「やぁん」じゃない事は分かる。
「だって…ほんの少し前なら、こんなコト望んでも絶対にしてもらえなさそうだったし…」
「でも、何故か今は…そんなコト言われちゃうと念入りにしてあげたくなっちゃってるのよね…」
そこで、わたしは羞恥と期待に震わせる柚奈へ包み隠しの無い本音を告げると、まるで小さな真珠の様に丸くて綺麗な肉芽へ舌先を這わせていった。
「あふぅ…っ?!ひっ、みゆちゃ…はぁぁぁぁぁぁぁっ?!」
「ん…っ、ひほち(気持ち)いい…?」
「あ…ああ…っ、嬉しい…こんな…こんな…あ…っ!」
最初はゆっくりと周囲へ舌先を滑らせ、次第に転がす様にかき回した後で今度は軽く吸い付いてみたりして…と、わたしは殆ど無意識にあの手この手で柚奈の一番敏感な部分を攻め立てていく。
「はぁ、はぁぁ…っ、みゆちゃん…上手…ぅ…っ!んっ」
本当に、躊躇いも何も感じない。「わたしは何をやってんだろう」とふと我に帰るコトもない。
「あ…はぁぁぁ…っ、そんな…舌で押しちゃ…ひぁぁぁん…っっ」
それどころか、こうして柚奈が本当に気持ち良さそうに喘いでるのを聞いてるうちに、わたしの下腹部も再び熱くなっていくのを感じていた。
「はぁ、はぁ…っ、はぁぁぁ…っ!」
(柚奈…柚奈ぁ…っ)
「ふぁぁぁぁ…っ!いいよぉ…っ、私ぃ…っ、みゆちゃんにクリちゃん…舐め舐めしてもらってるぅっ!」
(…こらこらこらっ、そんな大声でっ)
思わず、聞いてるこっちが赤面してしまうものの、それでもやっぱり柚奈はわたしにしてもらってるっていう精神的な快楽が何より大きいって事なんだろう。
そして、それを実感するわたしはますます嬉しくなって、もっと過激なコトしてあげたくなって…。
(やっぱり、後であっちの方もしてあげよっかな…?)
もうちょっと、クリトリスを気持ちよくしてあげた後にでも…。
「みゆちゃぁ…ん…っ!わ、わらひぃ…っ」
(柚奈…もっと身も心も喜ばせてあげるからね。今までの分も含めて)
…しかし、そう思った矢先…。
「はぁ…はぁ…っ、あ…んああああ…っ!」
「へ……?」
「だ、ダメ…もう…我慢できな…ふぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!」
まだまだこれから、次は軽く甘噛みでもしてみちゃおっか…とか思った所で、柚奈は早々と身体を大きく反らせながら絶頂を迎えてしまった。
「あ、あれ…もしかして、もう…?」
「はぁ…はぁ…っ、ゴメンね…気持ち良かったのと…あんまり嬉しかったから…」
「いや、別にそれはいいんだけど…」
まぁ、わたしとしても1回限りで済ませてしまうつもりは更々無い訳で。
(そんなに嬉しかったんだ、柚奈…)
秘所から止め処なく溢れるこの雫も、ある意味柚奈の歓喜の涙の様なものなのかもしれない。
「はぁ、はぁ、はぁ…っ、ありがとう…みゆちゃん…ホントに私…」
「ううん、まだまだこれからだよ。…ね、柚奈。今度はちょっと向きを変えない?」
ともあれ、わたしは息を上がらせながらお礼の言葉を向けてくる台詞を遮ると、柚奈の目を見上げながらそう促した。
「え……?」
「そのまま跨る形でいいから、今度はお尻の方をこっちに向けてみて」
「で、でも…?別にみゆちゃんまで無理してなくても…」
そこですぐに意味を察したらしく、驚きと戸惑いを残した目でわたしを見る柚奈。
…まぁ、そりゃそうよね。わたしにする分はどんなコトでも躊躇い無く出来ると言っても、される側に立てば話は別であって。
「いいの。わたしがしたいだけだから…それとも、イヤなの?」
しかし、すっかり気分と柚奈への愛情が高揚してしまっていたわたしは、もう止まらなかった。
「そ、そんな…イヤだなんて…でも…」
「”でも”は無し。…というか、わたしに何も要求してこないなんてぶーたれておいて、あんただって同じじゃないのよ?」
わたしにしてもらえるコトは何だって嬉しいんだから、柚奈自身が「一番の愛情表現」と言い切ったこれは、してもらえて一番嬉しい事でもあるハズだから。
「あ、うん…」
「…だから、わたしもしてあげる。ほら、自分で広げて…ついでにお願いしてみてくれる?」
まぁ、せっかくなので、ちょっとだけさっきの仕返しもしちゃうけど。
「は、はい…」
すると、柚奈は静かにこくんと頷いた後で一度離れると、指示通りに後ろ向きからわたしの眼前へ向けて再び腰を下ろし…。
「み、みゆちゃん…お願い、私のお尻の穴も…舐めて…下さい…っ」
そして、小さく震える手で自ら形のいい真っ白なお尻の双丘を開くと、その先にある恥ずかしい部分を曝け出して見せた。
(う、うわぉ……)
こちらからやらせておきながら、自分の顔に熱を帯びてくるのを感じつつ、視界いっぱいに広がる柚奈の痴態に目が釘付けとなってしまうわたし。
両指が食い込んだ柔らかいお尻の肉は厚みがありながらも無駄が無い絶妙な形で、またそんなお尻の奥から見える、無駄な毛とか一切無い秘部も一切の黒ずみも見えない綺麗な色をしていて、お下品なポーズとのアンバランスさが何ともHな光景として目に映っていた。
(それに…思えば、あの時のお嬢様が…)
同時に、初めて柚奈と会った時の清楚なお嬢様としての印象を思い起こして、今こうして目の前で自ら一番恥ずかしい部分を押し付けながら懇願する様な関係になったという事に、改めて興奮を覚えてしまっていたりして。
(…って、わたしの思考が柚奈に似てきてる…?)
それはヤバイ様な、もうどうでもいい様な…。
「み、みゆちゃん…?」
「う、ううん…えっと、よく言えました。んじゃ、お望み通り…」
ともあれ、わたしは誘われるがままに顔を少し上げると、差し出された柚奈のお尻の一番奥へと口を付けていった。
「ひ…っ、ふぁぁぁぁぁ…っ?!」
(…あ、思ったより平気…?でも…)
初めての舌触りは凄く柔らかい感触で、別にヘンな匂いも味はしなかった。
まぁ、お風呂上りだからそれも当然だろうけど、ただやっぱり、行為が行為だけに何やら凄く複雑でヘンな気分になっているのも確かであって。
「はぁぁぁっ!みゆちゃんにおひりぃ…舐め…」
柚奈がわたしにしていた様に周囲へ舌を這わせたり、舐め上げたりしていくうちに、やっぱり変態的なコトしてるなーっていう自虐や、そのたびに甘い声をあげながらピクピクと小刻みに震わせていく反応を見て感じる、何とも言えないゾクゾクした心地やら、自分がされていた時の感触を思い出して、何だかじゅんと熱くなってきたりとか等々、とにかく色んな感情が混ざり合っていた。
「はぁ、はぁ…っ、夢みたい…こんなの…んぁぁっ!」
「…………」
(…まぁ確かに、正直わたしも初Hでここまでディープなコトまでやっちゃうとは思わなかったけどね)
でも、やっぱり嫌悪感とか戸惑いは無かった。
周囲に充満している二人分の匂いが、一種の媚薬みたいに気分を焚き付けているのもあるとは思うけど、何より…。
「はひ…っ、はぁ…っ、や…やぁ…っ、とろけちゃいそう…っ」
(やっぱり、わたしも柚奈を愛してるんだなぁ…)
柚奈の言葉通り、わたしもこの愛情表現でそれをしみじみと実感させられてしまっていたりして。
今のわたしも柚奈の為なら何でも出来てしまいそうというか、「他人じゃ無い」ってのは、こういうのを言うんだろうな…ってな感じで。
「あ…ああ…っ、みゆちゃん…私…頭の中が真っ白に…んっ!なっちゃいそうだよぉ…っ」
「んじゃ、柚奈もこのままお尻でいかせてあげよっか?」
この反応見てると、もうちょっとだけ続けるだけであっさり2回めの絶頂っぽいけど。
「あ…ううん…っ、こ…っ、今度は…みゆちゃんと一緒がいい…の…っ」
「一緒?」
「う、うん…。名残は惜しいけど…でも…早くみゆちゃんと繋がりたいって気持ちでいっぱいになって来たから…」
しかし、わたしの台詞に柚奈は恍惚に満ちた顔を見せたまま小さく首を振ると、跨った腰を一旦浮かせて離れてしまう。
「繋がってって…どうするの?」
確か、道具とかの類は使わないって言ったはずだし。
「んふ♪簡単だよ…ほら、みゆちゃん太ももを上げて?それで、私と挟む様にして…」
その後、再びこちらへ向き直った柚奈はそう告げると、自らも膝を折り曲げ、所謂M字開脚の状態でわたしの下腹部と密着させようとしてくる。
「え…?」
柚奈がやろうとしている事はすぐに分かった。
…つまり、今度はお互いのを重ね合わせるつもりらしい。
「あは…何だかドキドキするね、こういうの?」
「う、うん…」
しかも、今まで交代で一方的にしたりされたりしていた時とはちょっと違うドキドキ感。
一体どんな感じなのか、今度は想像出来なくてちょっと怖いというか…。
「んしょ…っと…こうやって、太ももを重ね合わせて…上手く合えばいいんだけど…あ…っ?」
「ひ…っ?!やぁ…っ、こ、これ…何かヘン…っ?」
それからやがて、柚奈がぐっと押し込む様な形でお互いの花弁が触れ合うと、わたし達は同時にびくんと身体を震わせた。
「ああん…っ…みゆちゃんのと私の…ぴったり合ってるぅ…っ」
「あ…はぁぁ…っ、こ、こんなの…やぁん…っ?!」
指や舌で弄られていた時の様な直接の強い快感とかじゃなくて、どちらかと言えば何だかもどかしい感じではあるものの、それが逆にくすぐったい様なゾクゾク感が背筋へ走ったりと、今までとは違う不思議な刺激に困惑の感情が隠せないわたし。
それに何より…。
「ゆ…柚奈ぁ…っ、これはちょっと恥ずかしすぎ…っ」
目の前で、自分と柚奈の秘所がくんずほぐれつと絡み合い、しかも互いの愛液でヌルヌルと糸を引かせて混ざり合ってるのは、視覚的にもかなりくるものがあったりして。
「ふぁ…っ、でも、女の子同士でしか出来ない愛の営みなんだから…外せないでしょ〜?うふふ…」
「い、いや…まぁ…確かにそうかも…く…っ、しれないけどぉ…っ!」
”擦り合わせる”ってのは、女の子同士での特権というか独特な行為なんだろうな…ってのは何となく分かるんだけど、さすがにはしたないにも程があるというか。
…いやまぁ、お尻まで舐め合っておいて何を今更と突っ込まれたらお終いだろうけど。
(…それに…)
「んふっ♪…それに、みゆちゃんと私の身体…凄く相性いいみたいだし…っ」
「はぁぅ…っ、嬉しい様な、恥ずかしい様な…やぁぁんっ」
確かに相性がいいのか、互いの敏感な入り口部分がまるで片割れの様にぴったりと重なり合っていて、躊躇いが続く言葉とは裏腹に、積極的にグラインドさせて来てる柚奈の腰だけじゃなく、いつしかわたしの身体も額から汗を飛び散らせながら、殆ど無意識に腰を動かして呼応させる様になってしまっていた。
お下品な表現をすれば、まるで下のお口で貪る様にキスしてるかの様な…。
「はぁ…はぁ…っ、みゆちゃん…いいよ…これも癖になっちゃいそう…っ」
「で、でも…これ…あん…っ、結構ハード…かも…」
ずっと続けてると、明日とか筋肉痛になっちゃったりして。
「あは♪適度な運動になっていいんじゃないかな?…ほら、みゆちゃん足を伸ばしてみて?」
「う、うん…ひゃんっ?!」
やがて、柚奈に促されて痺れかけてた足を伸ばすと、そのまま掴まれて引き寄せられてしまう。
「んふふ…みゆちゃんのおみ足〜♪」
そしてスリスリと頬ずりした後で、ふくらはぎの辺りを優しく口付けしてくる柚奈。
「も、もう…恥ずかしいってば…」
ただでさえ、「恥ずかしい」なんて言葉じゃとても表現し切れない位の状態だというのに。
「でも、みゆちゃんが恥ずかしがれば恥ずかしがる程、私の方は幸せを感じてしまうのでした…と」
「う〜っ、ホントに悪趣味…」
「んふふ♪みゆちゃん、愛してるよ〜」
「……ばか……」
また絶妙なタイミングなんだから、もう…。
「えへへ、ばかでいいんだも〜ん。みゆちゃんにお勉強教えてる時以外は…ね。それより…」
しかも、柚奈の奴は完全に開き直ってみせた後で、今度は互いの両足を挟み込む様な形で、更に深くお互いの秘所を密着させてくる。
「ひ…っ、やぁ…っ?!」
「…ほら、こうすると一番気持ちいいトコロが擦れて…んふっ」
「あふ…っ?!はぁぁ…っ!」
先程より更にべったりと重なり押し付け合った花弁は、今度は動かすたびにクリトリス同士が微妙に擦れ合う様になって、これまで微弱だった刺激が一気に倍加されてしまった。
「ち、ちょっ…これ…ぇ…っ?」
「さっきの態勢だと密着させたまま擦り合わせるのが難しかったけど、今度はバッチリだね。クリちゃんとクリちゃんが今度は触れ合って…あは…っ、ゾクゾクしちゃう…」
「もう…っ、何処までもヘンタイなんだから…あんっ」
「むふふふ、ヘンタイさんだも〜ん。だから、もっとイヤらしく動いちゃうね?」
そして、更にこの変態お嬢様は居直ったかと思うと、貪る様にグイグイと押し付けてくる。
「あひっ?!やぁぁ…っ、これ…すごいぃ…っ」
それはまるで、柚奈に無理矢理犯されちゃってるみたいで…。
でも、同時に凄く気持ちよくて…。
「はぁ…っ、あ…っ、みゆちゃん…みゆちゃん…っ!」
「あ…ああっ!柚奈…そんなに激しく…あん…っ」
(ダメ…これ…我慢…出来ない…っ)
やがて擦りつけてる摩擦で、次第にジンジンと下腹部全体が痺れてきたかと思うと、脳味噌がとろける様な感覚と共に、わたしは何も考えられなくなっていく。
(…あっ、ダメ…わたし…また…っ)
そして、頭が真っ白になる様な感覚と共に、何かが上りつめていき…。
「はぁ、はぁ…っ、みゆちゃん…っ、私……っ」
「ゆ、柚奈…ひっ!らめ…っ、わ、わたし…もう…」
「…え…っ?」
「いく…いっちゃ…ふぁぁぁぁぁぁぁっ?!」
…またも、盛大に絶頂を迎えてしまった。
これで今日だけで3度目。
「むぅ〜っ、みゆちゃん…もう、今度は一緒が良かったのに…私だって、もう少しだったのにぃ…」
「はぁ、はぁ…っ、あはは…ゴメン…でもさぁ…」
そこで、タイミングを逃してしまったらしい柚奈から恨めしそうなぼやきが聞こえるものの、だからと言って、一緒に擦れ合わせてる状態で制御するのは無理がある訳だし、そもそも全く手加減もしてくれなかったんだから仕方がない。
「んふ…まぁいっか。まだまだ夜は長いもんね?」
しかし、柚奈はすぐに気を取り直して妖しい笑みを浮かべると、わたしの足を掴んで位置を調整しながら、再び腰をグラインドし始めてくる。
「ち、ちょ…っ、だから続いてはキツいんだって…っ?!」
「だぁ〜め。みゆちゃんと一緒にイケるまでするの。まだまだ夜は長いんだから♪」
「も、もう…このワガママお嬢様ぁ…っ!」
一応、疲れてきてはいるものの、どうやら今晩は寝かせてもらえそうになさそうだった。
「ほらほら〜、今度は先にいっちゃったらお仕置きしちゃおっかな〜?」
「もうっ、何でこういう時だけ体力が底なしなのよ、あんたは…ああん…っ」
…と言っても、わたし自身も確かにまだ柚奈の温もりに満足しきっていないのだから、あながち一方的な話でも無いんだけどね。
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